帝国侍従日記その5
ヴィオレット殿下とサフィール殿下の確執が大きくなっております。
最近は主にノウン様を巡る問題です。
サフィール殿下がノウン様にドレスを送ったり、舞踏会やお茶会に誘ったりするのはまだ良くて、ヴィオレット殿下との訓練や勉強会などに先ぶれも無く突然入って来たりとノウン様に執着して居るのです。
お母様が同じで歳が近いのも有るんでしょうが、お小さい頃からヴィオレット殿下を揶揄って居られました。
勉強やら剣術やら舞踏やらでヴィオレット様と何かと張り合って来たのですが、サフィール様は些細なことで小言をおっしゃるのだそうです。その度にヴィオレット様は言い返し、魔術を使った乱闘になることも有ったようです。
サフィール殿下の実力は正直ヴィオレット殿下より少し上と言う感じです。
それが最近また酷くなって来た様です。
特にノウン様を「女性として」扱っておられるのが嫌なようです。
サフィール殿下は女好き・・・女性に興味を持たれるようで、宮中の女性、女官やメイドたちにちょっかいを出され その度に色恋沙汰のトラブルを起こして居るようです
ヴィオレット殿下はそんなところが嫌な様です。・・・殿下は潔癖ですからね。
同性愛者だと言う噂もサフィール様が流した様です。・・・ヴィオレット殿下の潔癖さを揶揄ってのことでしょう。証拠に問題視されて居ない様です。
ノウン様のご様子は・・・
「手」を使う様になりました。朝は洗面器からお湯をすくって顔を洗い歯ブラシで歯を磨き、シャツのボタンをはめ、スプーンでスープをすくい、ペンで字を書く・・・素晴らしい!やっと「人間」らしくなりました!
瞬きもせずじーっと見られて、恥ずかしい思いをして来たかいがありました!
正直お世話も楽になる礼儀作法の先生からお褒めの言葉を頂きましたし、良かったです。
あとは会話ができる様になると良いんですが。
ノウン様は無口です。食事や身支度以外は、それ以外の時は空中に手を伸ばして自然魔力を寄せております。
自然魔力を寄せても魔術を使うわけでもなくただ集めて流して居る様です。淡い光に囲まれて精霊か妖精の様に見せて来ます。
まるで自然魔力の声を聞いて居る様です。
そろそろ魔力制御、魔術訓練が行われるようです。




