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帝国侍従日記 その2


 お医者様からは健康には問題ないが、魔を使うよりも体を動かす様にと言いつかりました。


 なので、お部屋に自然魔力(マナ)を阻害する装置を付けさせていただきました。お部屋に自然魔力(マナ)が入ってくることはありません。


 朝、お世話をしようとお部屋に入るとノウン様はすでにベットから起き上がり両手を頭上に上げながら部屋中を歩き回っておられました。

 私が「おはようございます」と挨拶したら、素早くこちらにお顔を向けられました。

 「驚かせて申し訳ございません、お時間ですので身支度のお手伝いをさせていただきます。」

 後退りされましたが、「失礼します」と一言断ってからお手を取って、化粧室へとお連れいたしました。


 蛇口を捻りお湯が出てくるのを不思議そうに見ておられました。私が洗面器にお湯を溜めて

 「こちらでお顔を洗ってください」と促したら、いきなり洗面器のお湯が伸び上がり、ノウン様の顔というより頭全体を覆った後また洗面器に戻りました。ノウン様は濡れて居なかったので手拭いで拭く必要がありませんでした。・・・・どうやら今までこうやって顔を洗っておられた様です。


 朝食にお持ちしたお食事(梨とチーズと平パンです)を「どうぞ」とテーブルに置いたとたんに浮かび上がり、口元に浮かばせてかぶりついておりました。

 ・・・食器は使わないんですかね?

 乳入りの温かいお茶を出しましたが、それは普通にお茶碗から飲んでおりました。


 教師を呼んで、本来なら帝国の礼儀作法や歴史などの勉強ですが、今日はノウン様にどれくらいの学力が有るかどうか試験をする様です。


 字の書取りは手を使わずにペンを宙に浮かせて文字を描いておりました・・・だから字が汚いんだ。


 数学は式を見た途端答えを書いておりました。教師が驚くを通り越して無表情でノウン様の答案を持って帰って行きました。

 

 社会と歴史には無反応でした興味がない様でしたが、教師が「この本を読んで要約を書きなさい」と本を差し出した(叩きつける様な感じでした)ら、本を凄まじい速さでめくった後

 そのあと用紙に書き出しました。

 本の内容をしかも挿絵もそのままに書き出すというより映し出しました。

 教師は逃げてゆきました。


 昼食のサンドイッチと林檎を浮かばせながら摂った後に運動訓練になりました。


 運動訓練は走ったり、剣を振ったりするのでは無く、まず体をほぐすことから始めます。まず教師が手本を見せて、ノウン様に真似させようとしましたが、伸び切って居なかったり、曲がって居なかったりと散々でしたので、教師がノウン様の体に(一言ことわってから)触れたのですが、触れた途端、驚いておりました。

 ぐにゃぐにゃだそうです。自分の体が分かって居ない様です。

 風呂に入って後に体を屈折させる様にと私に申しました。・・・大変なことになりそうです。


 お風呂で洗剤で水泡を作りながら汗を流したら、皇子殿下とのお夕食のための着替えです。

 肌と髪に香油を塗った後衣装を選びます。

 正式な晩餐では無いですが、皇子が一緒ですのでだらしない格好は出来ません。幸い皇子殿下から大量の衣装を賜りました。・・・全部紫色が入って居ますが。

 ノウン様のご要望を聞きながら選びたいところですが、無表情で衣装を黙って眺めて居るだけです。

 「こちらはいかがですか?」とお聞きしながら、衣装を一つ一つ手に取りノウン様に差し出し反応をみます。

 そしてノウン様が触れた衣装(手触りが気に入った様です)を元に装飾品や靴などを選んでノウン様の身支度をしました。


 お部屋に入られたノウン様をご覧になって殿下はご満悦の様です。・・・紫はご自分の瞳の色ですからね

 のりの効いた白いシャツの上にゆったりとした薄紫色のガウンその下は黒い脚半が細い脚を覆っております。

 細身のノウン様によく似合っておりました・・・猫背じゃないともっと良かったんですが。

 

 殿下が笑顔でノウン様に「今日は何をして居たんだい?」と尋ねていらしてもノウン様は何もおっしゃらずに目の前の皿を見つめるばかりでした。

 前菜の野菜のゼリー寄せが浮かび上がって照明からの灯りを受けてステンドグラスの様な影を落としたり、黄金カボチャのスープが小さいボールになって浮かんでも、メインの豚肉のリンゴソースを口元に浮かばせて無作法にかぶりついても殿下は微笑んで居ました。

 ・・・ノウン様に食器の使い方を教えなければ、ノウン様のお口を拭いて差し上げながらそう考えていると、

 「ノウン」と殿下がノウン様の口元に氷菓子をのせたスプーンを差し出して居ました。

 ・・・驚いて居るとノウン様は噛みちぎる様な勢いでスプーンに齧り付きました。・・・無作法です早急にマナーを教えないと!

 殿下は驚かれながらもそれまで見たことのない様な笑みを浮かべて居ました。・・・ご満足の様です。




 顔を洗い、歯を(ブラシを浮かべようとするのを止めながら)磨いて差し上げ、よく眠れる様に香茶をお持ちしてベットに寝かしつけました。

 

 おやすみなさいませ・・・なんだか不安になって来ました。

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