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帝国侍従の証言


 何もかもが吸い込まれて行く暗い淀みの中にどんどんどんどんどん


 なんでこうなったのか、私たちはノウンを分かって居なかった


 



 ノウン様の部屋から出て来たガラス片の様なものが大量に出て来たので離宮に追加で向かう使用人の馬車に乗り込みました。


  ガラス片は掃除担当のメイドたちに聞いてみたところ、煤かと思って居た様です。流石にベットの下は見ないでしょうから職務怠慢というわけでは無い様です。

 研究員に渡して欲しいと言っておきましたが、分析とかに時間かかるだろうな・・・


 許可が降りるかどうか不安でしたが、今回の離宮行き急に決まったと言うかヴィオレット殿下の独断で最低限の数しか使用人を連れて行かなかったので追加が必要だった様です。

 

 「君も行ったのかと思ったけど、皇子が何か言ったら執りなしてやるよ」と乗り込めました。


 それと


 「サフィール殿下も離宮に行くとおっしゃって行かれたよ」と


 嫌な予感しかしません。


 そして街道を走り離宮に着いたのは夜でした。


 夕食がすでに終わった様で、使用人達が片付けをしておりました。人数が少ないせいか、まだ掃除やら荷解きなどが終わって居ない様で、忙しく騒がしくしておりました。


 「ヴィオレット殿下とノウン様は今どこに?」

 と私が尋ねますと

 「お夕食が済んだ後すぐにノウン様とお部屋に入られました。」

 「サフィール殿下は先ほど参られて、ヴィオレット様のお部屋へ・・・」

 とヴィオレット殿下の侍従とサフィール殿下の侍従は言いました。

 「誰もつかなかったのですか?」

 「誰もついてくるな寄せるなとの仰せでしたので・・・」と意味ありげにこちらに目配せしました。


 「部屋はどこですか?」と私は部屋の場所を聞き急いで部屋に向かいました


 片付けがまだ済んでいないせいか廊下は暗く、闇が広がって居ます。


  争って居る様な声が聞こえ私は走りました。


 攻撃魔術を込めた魔道具を持ってくればよかった、殿下に言われても無理について行けばよかったと考えながら、と考えながら走りました。

 正直ノウンは出会った時から・・・今でも苦手です。

 何も言わず表情を変えず。何もせず、やることと言えば虚空に手を伸ばし魔力のない私には感じることの出来ない自然魔力(マナ)を寄せるだけ向こうからは何も、挨拶も無い文句も何も無い頷きも手振り身振りも無い。

 命じられたとは言え日常動作のために私をじっと瞬きもせずに見つめて・・・はっきり言って嫌でした。一挙一挙の動作を真似されるのは辛かったです。

 

 それでもノウンが普通の生活ができる様になったのは嬉しかったです。


 ヴィオレット殿下もサフィール殿下も苦手です。気楽に構える様に言っておきながら、こと有るごとに身分を縦にして自分の要求を押し付けてくるのは、嫌でした。


 

 私は、正直今使えて居る人たちに好意が持てません。




 ・・・でもだからと言って私が何もしないのは間違って居ると思います。


 やっと部屋の前に着くとドアは空いて居る様でした。・・・暗くて部屋の中が見えません叫び声とガラスが砕ける音が聞こえて来ました。


 部屋に飛び込むと、バルコニーにノウンが立っておりその傍にヴィオレット殿下が倒れておりました。その隣にはサフィール殿下が・・・二人ともどうも服を脱いでいる様でした・・・お風呂にでも一緒に入ろうとしたんですかね。・・・


 ノウンは何も身につけて居ない・・・真っ黒いや真っ暗です。

 まるで影の様にノウンに向かって風が吹いて居ました。吸い込む様に。

 気づけば持って居た灯魔道具が消えておりました。魔力、自然魔力(マナ)を吸い取って居る様です。体内魔力(オド)もそのせいで殿下達は倒れて居るのでしょう。


 ノウンは笑って居る様でした。どこか楽しい様な嘲る様な月の光に照らされてノウンは月に向かって手を伸ばし、ゆっくりと浮かんで行きました。そして


 「ノウン!行くな!戻ってくれ!」とヴィオレット皇子が叫びました。

 背後から兵士たちの怒号が聞こえて来ます。すぐに来る様にと言っておいて良かったです。

 

 兵士たちが部屋に入ると同時に・・・



 ノウンは月に消えました・・・



 これが私が離宮でみた全てです。殿下たちは体内魔力を吸い取られて、衰弱しておりなんらかの後遺症が残るそうです。

 この度の事件は皇子の無茶な命令が発端なので使用人、兵士たち、侍従にはお咎めがない様です。

 

 皇帝陛下のお慈悲に感謝いたします。


 ノウンがなんらかの刺激を受けて周囲の魔力を吸い取り逃走したと・・・


 人間に可能なのかと聞いてみたところ理論的には可能だそうですが、体内魔力と自然魔力を混ぜ合わせて高度な制御、例えるなら頭の中で計算式をしながら琴を弾き波の激しい岩場を飛ぶ様な一度に異なる行動をしなけらばならないそうです。


 

 ノウンは計算式を暗算で解いて居ましたから可能なんでしょうね。この調子だと部屋で見つかったガラス片も碌なものじゃないだろうな・・・






 私はお暇をもらうことにしました。他人に振り回されるよりも自分のために生きたいと考えたからです。

 この話はここで終わりです。次は外伝

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