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怪獣弱い


「さあ野生さん異星怪獣をライフゲージが1になるまで痛め付けて下さい!」


 割とひどい事言うよな。


「じゃあ君がやれば良いんじゃないの?」

「私は宗教上の理由で出来ません」


 シィーン


「何ていう宗教?」

「あ、ちょっと言えません」


 ヤバイ子だな。でもバイオ技術で人工生成された子なのに信心深いんだなあ。ていうか何で言えないんだよ。


「じゃあ俺だってゆるい仏教徒だからな、殺生禁止だよ!」

「安心して下さい、殺しませんから。野蛮人の地球人なら心も痛まないでしょう」

「滅茶苦茶言うよな」


 だが数々のロボットアニメを観ている俺としては、兵器に乗ってもなかなか戦わない主人公にイライラしていたので、あっさり戦う事にした。


「よーしじゃあサクッと戦いますか。剣とかライフルとかはどう出すの?」

「そんな危険な物ありませんよ! 素手で殴るなり蹴るなりして下さい!!」

「えーつまんねーなって、どうやって操縦するの?」


「私の髪を握って下さい。馬の手綱みたいな感じです。それで精神集中したら自由に動きだしますよ!」


 ドキッ

 それって幼稚園児が意地悪で髪を引っ張ってるみたいじゃないかっ犯罪じゃないのかよ!?


「いやーそれはちょっと」

「早くして下さい!」


 どうせなら他の所握りたかったな。

 くにっ

 俺は彼女の長い髪の先を両手で握った。


「くっあふっっ」

「ちょっ何か感じてる?」

「い、いえっ動きますよ!!」


 ピキューン

 俺達には分からないが、乙型-ラヴジルhの両目が妖しく光った。



 目の前には全裸の美少女、そしてその長い髪を握る俺は背徳感から何故かやる気がアガって来た。


「よっしゃーーーおりゃーーーっ!」


 ドスドスドス

 流れる画面の映像。うお、本当にイメージ通り走り出したぞっ。 


「ぴるぴるぴる」


 ドシーンドシーン

 俺が殴り掛かる為に走ると、なんと異星怪獣は逃げ始めた。


「逃げたっ!」

「追い掛けて下さい、なるべく早く早くやっつけて下さい!!」

「はいはい」


 怪獣が襲い掛かって来て激しいバトルになると思っていたのに、なんか拍子抜けだなあ。


「逃げんなーーーっ! おりゃーー飛び蹴りーーッ!!」


 追い掛けながら、俺は思い切り飛び蹴りを食らわせてやるっ。

 バキャッッ!!

 怪獣の後頭部に、コントの様にきれいに両脚キックが決まると、コテッと怪獣ズギャギャドギャーンはコケた。


「ぴるーっ」

「やりましたっ」

「よわっ」


「そのまま馬乗りになって殴り続けて下さい!」

「虐待でしょ!?」

「いいから早くっ」


 のっし

 仕方なく俺はラヴジルに気に入られる為だけに怪獣をタコ殴りにする事にした。


「おりゃーーー!!」


 ゲシゲシッ


「ぴるーっ」


 かわいそ、絶対この怪獣泣いてるでしょ……

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