異星怪獣ズギャギャドギャーン
「分かったよ! 今は背中全裸だけで我慢しておくから、いい加減栃木県に行こうぜ」
「言われるまでも無く、飛びます!!」
俺は思い切り激しく闘う事によって、彼女をシートからコケさせる作戦に出る事にした。彼女を助けるフリをして前を見る計略だっ。
シュバッ
どういう仕組みが不明だが俺達は一瞬で栃木県の日光東照宮跡地に来た。
「あちゃ~~ラヴジルがもたもたしてるから日光がグチャグチャだよ」
「私は建物には興味ありません! それと遅れたのは貴方のせいですから」
「会話する時は目を見て話さない?」
「その作戦には乗りませんから!」
よしとにかく激しく闘うぞっ。
「ンピルピルピルーーンピルピルーーーッ」
日光跡地と彼女の背中ばかり見ていて気付いていなかったが、目の前には巨大な怪獣がのそのそと歩いていた。
「み、見ろっ怪獣の後ろに巨大なロボットが現れたぞっ!」
「もしかして怪獣と戦ってくれるの??」
「がんばれーっ東照宮のカタキを取ってくれーーっ」
当然の様に避難民達に気付かれる。
「おいおいギャラリーに見つかっちゃったぞ。俺達が乗ってるロボットかっこ良いんだろうな? ダサかったら許さないぞ」
長い髪の美少女であるラヴジルは決して振り返らずに淡々と答える。
「正直言って外見はどんなのでも良いですので、この地球で目立たない様に地球で最も人気があると思われる、ス〇イダー〇ンのレ〇パルドンというロボットを参考にしてデザインしました」
キョトーン
「それ何?」
「え、一番人気じゃないんですか?」
思わず彼女が振り返る。横乳2回目ゲット!!
「とにかく気を取り直して、異星怪獣ズギャギャドギャーンのライフを限りなく1に近付けるべく痛め付けて下さい! 殺しちゃダメですよっ」
俺はコケた。
「異星怪獣ズギャギャドギャーンって名付けた奴小学生だろ……」
「今私がフィーリングで名付けた物ですが」
「マジカ」
「とにかくライフを1に近付けるまで痛め付けて下さい! 怪獣ライフゲージ出します」
ピッ
目の前に映し出される空中モニターの怪獣の上にゲームのライフゲージ的なメーターが出た。あれを1にすれば良いのか?
ビシッ!!
うっ突然シートベルトが出て俺は拘束されてしまう。
「ふべっ!? 苦しい」
「シートベルトで固定しています。これで思い切り暴れても大丈夫ですよ! くっキツイです」
うっ目の前の全裸の彼女も縛られる様にベルトが身体中に絡まっている。今前からみたらえらいこっちゃな状態だろうな……しかしこれで暴れて彼女をコケさせる作戦は消えた。途端に俺のやる気ゲージは減退する。