乗れた!?
カチャリッ
「日光東照宮が完全崩壊しました!」
シィ~ン
知事室は沈痛な空気に包まれていた。
「これも全て知事である私の不徳の致す所。責任を取って辞任しようと思う」
「知事!」
「だからもうコンプラも何も無い、既に妻とは冷え切った関係、秘書君こんな無位無官の私でも良かったら……いや、もはや何の権力も無い私には、フッッ」
元知事は悲し気に両手を広げて自嘲気味に笑った。
「バカッ! 元知事のバカバカバカ、私権力になんて興味ありません、人間としての知事が好きなだけです!」
「秘書くん?」
だきっ!
栃木の至宝日光東照宮は完全崩壊したが、今新たな愛が誕生したのであった!! しかしその頃上空では、航空自衛隊F‐35・6機が着々と異星怪獣に接近しつつあった。彼らの中にある怪獣に接近して巨大な手で叩き落とされたいという、危険な欲求を止めなければいけない!
ー近所のデカイ公園
「ふぅふぅ着いたぞ! ここなら誰も聞いてないぞ」
「変なカップルとかいないかレーダーで探知しましたが誰もいない様です」
「凄い便利機能、今度変なカップル探ししようか?」
「しません、はよ叫びなさい」
俺は変な宇宙服を着るラヴジルの身体を見た。よし裸の為にいっちょ死ぬギリギリの大声で叫んでやるか。一発で済む様に本気で大声出すぞ!
「ふぅーーーっラーーーヴジーーーーールエーーーーチッ!!」
!?
シュバッッ!!
次の瞬間、俺は未知の白い空間に居た。
「ここは!?」
「おめでとうございます。乙型-ラヴジルhに見事搭乗出来ました」
くるりと振り返った彼女は全裸だった。
ぶっ
美少女の横乳が丸見えで軽く鼻血が出そうになる。さらに長い椅子の前にはもちろん全裸の可愛いお尻が。
「う、うおーーーーっ」
思わず襲い掛かりそうになる俺を、彼女は指一本で止めた。
「この長いシートに線が描いてあると思いますが、そこから1ミリでも前に出ると宇宙大法廷にセクハラで告訴して即死刑になりますから!」
マジか、何という生殺し。
「せ、戦闘中に揺れたりして、おっといけないとか言っておっぱいを触ったら?」
「即告訴です」
「そんな事言って、嘘なんでしょ?」
「いつでも告訴出来るように宇宙内容証明を準備していますよ、私は本気ですから」
「わ、分かったよ。意味が良く分からないけど怖いからしないよ、ちぇっ」
俺は口を尖らせた。けどこういうのってなんやかんや言ってて、最後は仲良くなって触らせてくれるんでしょ? ツンデレだよな。
「ツンデレではありません、本気ですから」
心を読まれた!?