即、親バレしてしまう
「でもズギャ子って名前はどうかと思うぞ、小学生レベルのラヴジルが適当に考えた名前だからなあ」
「じゃあ野生さんなら何て名付けますか?」
「……カトリーヌ?」
「却下」
「……カロリーヌ?」
「鬼〇郎に出て来そうだから却下」
俺達の会話をキョトンとした顔でみていたズギャ子が立ち上がった。
「ズギャ子はズギャ子だよ、ズギャ子野生が好き!」
「ほら、ほぼ〇ニョだな」
「何がほら、なの?」
しかし外見年齢13歳くらいのズギャ子をバスタオル一枚で放置する訳には行かなかった。
「仕方ねーなラヴ、空間転移とやらでデパートから子供服パクッて来てくれよ!」
「何言ってるの犯罪禁止よ。お母さんに頼んで子供服用意してもらいなさい」
「そんなもん家にねーよ」
「ズギャ子、裸でいーよキャハハッ」
ガバッ
無邪気なズギャ子がタオルを捨てた瞬間、何故かラヴジルに殴り倒されて見えなかった。
「いてーな何だよ嫉妬かよ? 見苦しいぞ、一回関係を持ったくらいで」
ボゴッ
さらに殴られる。
ガラッ
その時、唐突に部屋のドアが開いた。その先には無表情の母親が。
「ギャーーーッ!!」
「ひーーっ」
俺達は二人して叫び合った。
一分後
「薫、お前高校生のクセに神待ち掲示板利用するなんて、どういう風に育ったんだい?」
「いや神待ちじゃねーよ、単なる友達だよ出てってくれよ」
「良い機会じゃないですか、お母さんに子供服買ってもらって下さい!」
ラヴは裸にタオルをかけただけのズギャ子に指をさした。
「あ、あんたこんな小さな子を裸にして、一緒に警察行くわよっお嬢ちゃんお家は?」
「ズギャ子のお星さま爆発しちゃった……だからズギャ子野生と一緒に暮らす!」
一瞬の間が。
「あんた、この子にどんな洗脳を施したの? こんな若い子がこ〇ん星爆発みたいな事口走って」
「洗脳とかする訳ねーよ、千〇イ〇スかよ!」
「お母さんには隠し立てする訳には行かないですね、実は私は宇宙自然保護団体職員で、彼女は保護した宇宙生物なんです……」
団体職員なのかよ! 母さんの口が開いたままになる。
「どうしたら二人もこんなに見事に洗脳出来るの、あんた洗脳のプロを目指したら?」
何だよ洗脳のプロって。
「てれびを付けます、ぴ」
『……先程から中継してます様に、ここ栃木県は謎の怪獣により激しく破壊された跡が生々しくー』
「お母様、これですこれ!」
こんなん見たって関係ねーだろ。
「お母さん信じるわ!」
俺はコケた。何故信じる?
『その他のニュースです。逮捕されていた自然保護団体シーレトリバーの元会長の処遇について……』
ぴっ
「何故消す?」
「え、もう見てないでしょう」
「まずいニュースやってたからだろ?」
「はぁ言いがかりですか?」
ラヴは口を尖らせた。




