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CASE.2 転落 その1

「転落ですか?」

椿は担任の先生に聞き返す。

ホームルーム後、家に帰ろうとした椿を担任である田辺ゆみ先生が呼び止めた。

話を聞くと椿の帰り道にある大きな36階建てのビルの屋上からから女性が転落して亡くなったらしい。

今は事故と自殺という名目で警察が目撃者や亡くなった女性の知り合いに聞き込みをしているそうだ。

ビルの前を通る人に片っ端から話を聞いているそうなので、椿も声をかけられるだろうと思い呼び止めたとのこと……

他にもあのビルの前を通る生徒には田辺先生が声をかけているそうだ。


何ともマメで、優しい先生。

生徒の事を一番に考えてくれる良い先生。


椿は神社の仕事の関係で悪意あるものを普段相手にしているため、こんなに優しい人を相手にしている時はなんだか心が洗われるような気持ちになるものだ。


「わざわざありがとうございます。田辺先生、警察の方には聞かれた事をキチン返答します。私は直接見たわけでもその女性と知り合いでもないですから、軽い質問だと思いますし」

椿はそう田辺先生に告げて学校を後にした。


◆◆◆◆◆◆


(あっあそこのビルかな?警察が建物の前で声をかけてるみたいだし)

この付近には大きなビル群が多く、転落したビルだけではなく周りはビルだらけ。

企業が沢山入っているビルや病院、住居のマンション等まで沢山ある。

その内の一つのビルの前にKeepout立ち入り禁止のテープでビルの入り口を括っていて、その前に警察が立っているのだから間違いないだろう。


『椿』


急に後ろから声をかけられたので振り返るとそこには白夜がいた。

浮いている...

「白夜...今は見えないようにしているのね?」

そう聞くと無言で頷く

椿は一つため息をついて小声で白夜と話す。

「どうしたの?」

『神社にお墓が増えてたよ』

「え?」

今朝見た時にはなかったのに...

椿が少しうつむき考える仕草をする。

すると白夜が指でトントンと椿の肩をたたき、指を指した。

椿が白夜の指を指す方を見る。

「え?」

警察が聞き込みをしている。Keepoutのテープの内側、つまりビルの入り口付近にぼんやりと女性が立っているのが見えた。

他の人には見えていないようだ...素通りされている


スーツ姿の女性

全身が血みどろ...


「あれは...」

『このビルから落ちたみたいだね』

で.....お墓が増えている...ということは

「事故ではないのね」

椿はそう言い、はぁとため息をついた。

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