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CASE.1 交通事故【ひき逃げ】その6

「なんなんだよ!あんたは!」

剛が叫びながら椿と距離をとる

「なんなんだよ?私は神凪椿よ。あなたの高校の生徒会長の」

椿が答えると。

「ふざけるな!ったく…また消さなきゃなんないのかよ…面倒な……」

剛がそう言ってスマホを取り出し電話をかけようとしているようだ。しかし...

「繋がらない…!」

剛はイライラしている。ドラッグの影響もあるのだろう…

「残念でした...無駄よ」

椿は再び剛に近付いて、

「リナさんのこと……悪いとは微塵も思ってないのね…」

そう言うと、

「はっ!あんな女遊びなんだから死んだってなんとも思わねぇよ!ドラッグのことも気がつきやがって!面倒くせえ!」

椿の方は見ずにスマホをカチカチいじりながらそう答える剛。

椿はため息を付きながら、剛に向かって告げる


【他のものの死を軽んじる、愚かな咎人に制裁を】


椿が言い終わると同時に霧が更に濃くなる。

剛は焦り、霧を手で振り払おうとブンブンと振るが一向に減らない。

霧ぐ濃くなるにつれて冷ややかだった空気が更に冷たくなっていく…


「くそ!なんなんだよ!」

椿も見失い、スマホもいつの間にか落としてしまったようだ。

剛は手を振り続ける。

次の瞬間、パシッと腕を捕まれる剛。

ビクリと体を震わせてそちらを見るが良く見えない。

だが椿だろうと思い声を出す。

「なあ生徒会長さん!取り引きしようぜ!見逃してくれたら大金と気持ち良くなる薬をやるからよぉ」

と自分を掴んでいる腕を掴み引き寄せる…


「ひぃぃ」

剛は悲鳴をあげた。

その腕の持ち主は真っ赤だった……


頭から血を流し、ギョロリと剛を睨む

剛は捕まれていた腕をなんとか剥がし逃げようとしたが、尻餅をついてしまい上手く動けない…

いや…動かない…!

剛が自分の腰を見ると他にも血だらけの手が服を掴んだり、肩を掴んだりしていたのだ…

「ひぃ!たっ……助けてくれ!」

剛は必死に叫ぶが誰も答えない。

剛は血だらけの手にゆっくり、ずりずりと引きずられていく…

ついに血だらけの手は剛の首や口、髪の毛も掴みかかってきた。

剛は半狂乱で叫ぶ

「誰でもいいから助けてくれ!!!」


するとか細い声で

[たすけてほしいの…?]

と聞こえてきた。剛は必死にその人物の声が聞こえてきた方に向かって

「頼む!」

と言ったが、

その人物の姿を見て固まった。


そこには

自分が殺した

血塗れのリナが立っていた……

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