表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

CASE.1 交通事故【ひき逃げ】その4

やっぱりね...

椿は白夜が調べてきた斎藤剛の情報の紙を見ながら思った。

ちなみにこの紙はどこから仕入れているのかは知らない。聞いても、

『ひ・み・つ』

と言って教えない。このドヤ顔殴りたい…

それは置いておいて彼の情報だ。事細かに書かれているが、必要な情報を拾う。


斎藤剛(さいとう ごう) 17歳

県立皆神学園高等学校2年5組

家柄 裕福(父親が政界の人間)


ここまではまあ普通……政界の父親がいるとなるとかなりお金持ちだなとは思うが、まあいい

問題は次から……


繁華街のBARでドラッグ(デタントという薬)をやっている。

煙草、飲酒、無免許運転……

まあ出てくる出てくる。


(彼女の悩み……どう考えてもこれだ、これを突きつけて、彼女がなんて言うか…かな。彼女をひき殺した犯人……たぶん……)

椿は自分の考えていることを確信へ変える為に再び彼女のお墓に向かった。


「リナさん。姿を見せて下さい。」

椿がそう言うと、リナはゆっくり姿を表す。

相変わらず髪で顔は見えない。

[なに……?]

リナが言う。

椿は持っていた剛のことが書かれた紙をリナの前につき出す。

「ここに書かれている彼……リナさんの彼氏だったみたいね。これ……リナさん気がついていたんじゃない?」

ここまで言うと椿は黙る。


紙を見て(髪で見えないがたぶん見ている)しばらく沈黙したかと思ったら、リナはカタカタと震え出す

[ああ…あ"あ"あ"あ"あぁぁ!!!]

リナは顔を両手で覆い叫びだす。

幽霊が発狂するのはよくあること…

椿はリナの肩に手を置き少し落ち着くのを待つ。


「知っていた…のね?」

椿はリナが少し落ち着いたところで話を切り出す。

リナは黙ったまま頷く。

[しんじられなかった…かれがこんなことしてるなんて…がっこうでも……ゆうとうせいだった……なの…に……なのに……]

絞り出すような小さな声で話始める。


◆◆◆◆◆◆


リナから話を聞き出した。

繁華街のBAR近くで彼を見つけてこっそり後をつけたこと、そして煙草や飲酒、薬物をやっていたこと、そして……見ていたことが彼にバレたこと……

誰にも言わないから別れて欲しいと言ったこと、駄目だと薬を口にねじ込まれて飲んだこと……これで同罪だと言われたこと、薬で頭がおかしくなりそうだったがそれでも別れてくれと頼みこんで別れたこと、そして……別れた次の日に...……彼が運転する車でひき殺されたこと……。


リナの脳裏には次々と今までのことがフラッシュバックしていた。

[それでも…それでも…しんじたくなくて...……だ…だいすきだったから…]

リナは両手で顔を覆いながら泣き崩れる。

「そっか…それで信じたくない気持ちがあなたの心に蓋をしていて最初は犯人が捕まるだけでいいって言葉になっていたのね…」

リナは頷く。

[かれにひきころされたぶぶんだけ…かすみがかかったようにおもいだせなかった………でもさっき…みたかみをみてすべておもいだした]

椿頷く。

そして彼女にもう一度質問をする。

「あなたの未練を果たします。望むことはなに?」

リナはゆっくりと話だす

[かれ………に…おなじおもいを…くるしみを!!]

その言葉に椿はニッと笑う

「オッケー分かった!」

椿はそう返し神社の中へ戻っていく。


それを見てため息をつく白夜

『ちゃんと最後まで説明していきなよ…全く……』

そう言い白夜はリナに向き直る

『あのね…未練をたちきる為に彼に痛い目にあわせるのは止めないんだけど、一つだけ問題があるんだよ。……それはね…』

白夜は真剣な表情で説明する…………

それでもいいとリナは了承した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ