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CASE.1 交通事故【ひき逃げ】その1

とある学校で女子生徒2人が放課後の教室で話し込んでいた……


「ねえ聞いた?」

「なに?」

「2組の矢萩さん最近見かけないと思ったら…事故で亡くなったって!」

「そうなの!?」

「しかも………【ひき逃げ】らしいよ!犯人はまだ逃走してるって!」

「酷い!早く捕まると良いね…」

「そうだよね…結構酷い状態だったみたいだし…」

「未練…あるよねきっと」

「そりゃああるよ!だって彼氏出来たばっかりだったみたいだし、楽しい高校生活が全部無くなっちゃったんだもん。」

「そうだね…早く捕まって欲しいね」

「うん…」


◆◆◆◆◆◆


冷たい雨が降る…

今日もまた神社にお墓が増えている。

話を聞いて未練を果たしてあげないと、これが私の役目だから。

『椿』

名前を呼ばれて長い黒髪を綺麗なポニーテールの形にして、神凪椿(かんなぎつばき)は呼んだ相手を振り返る。


彼女の後ろにいたのは銀髪でマッシュ型の髪、右目が赤で左目が金色、真っ黒なローブコートを羽織っている男性。

彼の名前は白夜(びゃくや)

本名ではないらしい…そう呼ぶように言われたので呼んでいる。

白夜は足を組んで空中に浮いていた。

そう、白夜は人間ではない…


彼は【死神】だ。


この【死神神社】では代々巫女が死神と協力関係を結び、未練を立ちきることが出来ずにこの世に留まっている死者の話を聞いて、その未練を果たしてあげて死神である白夜に魂をあの世へ送ってもらう、という役目だ。


未練を果たしてあげると聞くと聞こえが良いように感じるが、お寺の様にお経で魂を癒すというやり方ではない。

未練の内容によっては残酷なことになったりもする。

しかし、これが椿の役目だ。


白夜はこの神社と協力関係にある死神。

母も白夜と協力していた。

他のもいろんな所に死神はいて、人に紛れたりもしているらしいが、椿は白夜しか見たことはなかった。


その母はいない…

亡くなってしまった。

右手と右足が切られた状態で母は見つかった。

見つかった時には既に息はひきとっていたという…

殺人とのことだが

母を殺害した犯人もまだ見つかっていない。

そして母の右手と右足も見つからない…。


父は物心ついた時にはもういなかった。

母に聞いたが、いないとしか言われなかった。

それが当たり前。

なのであまり気にしなかったが、母が亡くなってからは父の事を知りたいと思うようになった。

会いたいと思うようになった。


しかし…この神社の役目があってなかなか行動できない。


椿は白夜の顔を見る。

整った綺麗な顔。

協力関係だがなにを考えているか分からない顔。


「どうしたの?白夜」

疑問系にしたが、本当はなぜ呼ばれたのか分かっていた。

神社に新しいお墓が増えていたから...

きっとそのことだろう。


『新しくお墓が増えてたよ。未練を聞いてあげよう』

やはりその件だったか…

そう思って、椿は頷き立ち上がった。

未練を残して亡くなった死者の元に...

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