イベント2:称号
次の日ギルドに行ってみた。
ギルドの扉を開くと多くのプレイヤーが群がって来た。
「あ!ナラだ。」
「来たぞ!勧誘しなきゃ。」
一旦扉を閉めて帰ろうかな・・・。
「はいはい、私が相手になるよ?」
どこからかミライが現れた。
「象が来たぞ!」
「やべぇ逃げろ!」
ありがとう、ミライ。
「お前ら!ギルド内は戦闘禁止だぞ?」
騒ぎを聞きつけたイルドさんが笑顔でやって来た。
「アホミライ、時間稼いどいてくれ。居るだけで牽制出来るだろ?戦うのは駄目だぞ。」
「はいよ。」
「ナラ、ついて来い。」
イルドさんの執務室に通された。
「この部屋で少し待ってくれ。今、あのア・・・女神様を呼んでくる。」
イルドさん、もしかしてアホって言おうとした?
上司なんですよね?大丈夫なんですか?
「大丈夫だ、問題ない。」
暫くすると映像で見た女性とイルドさんと部屋に入ってきた。
前にあった気がする・・・確かラット種の魔物の討伐を勧めてくれた時に受付にいた人?
「よく覚えてましたね・・・改めてまして、私はライスカンパニー社のCEO、パスト・ライスです。この世界では女神をやらせて貰っています。」
昨日の映像の時と喋り方が違う。
「あれは女神のキャラクター作りです。・・・本題に入りますね。」
「称号を貴女に授与しようと思い呼びました。」
称号?
「特定の条件を満たすと貰えるものだ。それを得て装備すると条件付きでステータスが上がったりする。やり込み要素の一つだ。」
イルドさんが説明をしてくれた。
「イベント称号:偽プレイヤーキラーを与えましょう。人に擬態した魔物に対しての特攻と特防が発動する様になります。」
特攻?特防?
「人型の魔物の敵に与えるダメージが増加と受けるダメージが減少するって覚えておけばいい。」
イルドさんが補足説明をする。
便利なんですね。
「装備してみてね。セントの塔の攻略には便利ですから。」
女神様が微笑んでそう言った。
「もし、宜しければセントの塔の前まで転送しましょうか?」
「ギルド内を通ると、また勧誘されるだろうから、塔の攻略に向かうなら送ってくれるそうだ。」
それじゃあ送って下さい。
「これからもこのゲームを楽しんでね、ナラ。」
私は塔の前に立っていた。
ナラが転送された後
「お前な、説明下手か?」
イルドは呆れ返っていた。
「仕方ないじゃん!いつものノリだと正体バレちゃいそうだし・・・。」
「あのさ、ある4プレイヤーはお前が女神とプレイヤー兼任してる事に気がついてるぞ?」
「え!?誰?このゲームにかなりの人を誘ったからな・・・。」
イルドの発言で女神はかなり慌てたという。




