Emergency:The Tower44(1)
ナラが50階層に来る少し前
ミライは自身が運営する黒猫の定期便の記事を書く為に、プライベートで50階層を攻略していた。
ボスを倒し記事を書こうとすると彼女の元に連絡が入った。
「ん?運営用の回線?何だろう?」
「ミライ、休みの所、すまない。緊急事態だ。」
「・・・何があったの?」
「セントの塔44階層及び45階層で不審なプログラムを検知した上にこちらのコントロールが効かなくなった。」
「何だって!?」
「悪いが今からギルドに来てくれ。」
ミライは自身のプライベート用のアバターから女神のアバターに変更した。
「イル姉、直接行くよ。そっちのが速い。それより、巻き込まれたプレイヤーが居ないか確認して。場合によっては人質にされてるかも。」
40階層を越えられるプレイヤーだとしても相手がプログラムを改竄してきたら、ひとたまりもない。
「数分前の記録だが、1人いる。」
「まずいかも・・・、よし、アクセス権は取り返した。これで該当フロアに行けるよ。」
「了解、私も行こう。」
「イル姉、ワープホール開いたよ。行くよ!」
ミライが、ワープホールに飛び込んだ瞬間、横に別のワープホールが出現した。
「今のは・・・!?」
一瞬だが友人が連れ歩いている黒猫が見えた。
「(終わったら迎えに行くよ。ナラ。)」




