プレイヤーのメディ
「痛たぁ〜」
ミライは蹴られた所をさすった。
VRゲームだから痛みないよね?
「うん、ないよ。」
指摘されてケロッとした。
「何で私が怒ってるのか解ってるよな?」
「解らないです。」
「お前は少し自重というものをだな!」
ギルドマスターは説教を始めた。
「ヤバい・・・。ナラと約束あるんで、そんじゃ!」
私の腕を引っ張りギルドの建物から離脱した。
「いやー、ギルマスが受付の所に居るとは思わなかったよー。いつもは執務室の中だし。」
知り合いなの?
「うん。アタシを大会出禁にしたのはあの人だし。」
出禁って何したの?トッププレイヤー倒したらしいけど・・・。
「あー、それね。初心者狩りしてるアホに灸を据えてやっただけ。」
それだけ?
「・・・他にも何か言ったな。ギルマスめ。アタシのスキルは使い方を少しでも誤れば即BANは免れないから滅多な事がない限りは使わない様にしてるんだ。」
そんなに凄いスキルなの?
「まぁね。アタシの話はこれくらいにして、武器や防具でも見に行かない?」
良いお店知ってるの?
「うん。プレイヤーが経営してるお店なんだけど・・・」
プレイヤーが経営?
「そういえば、これもチュートリアルに無かったね。現実と同じで土地を借りたり買ったりして、お店を開いたり家を建てたりする事が出来るシステムがあるんだよ。土地の売買はギルドのゲッキョクっかテイソってNPCに取り次いで貰えば可能だよ。」
もしかして月極と定礎?ネタだよね?
「ネタだね。運営会社、何考えてんだか。今度行ったら確認してみな。」
・・・確認してみよう。
武器や防具はNPCからも買えるよね?
「NPCよりプレイヤーの方がいいもの作れるのさ。この町にあるんだけどここからだと反対側にあるから、歩いたら時間がかかる。ちょっとアタシに掴まってて。」
ミライに掴まると身体が宙に浮いた。
「やふーーー!」
ミライは変なテンションだ。(いつも通りだけど。)
10秒位するとゆっくりと着地した。
「メディ、いる?」
「今は、外出中や。」
「居るじゃん。」
居るね。
「お?そっちは誰や?」
ナラって言います。
「ウチはメディ。商人と鍛冶屋をやっとるんや。そんで、なんの用や?」
「友達に武器、防具を作って欲しい。」
「ステータス見せてみ?」
どうやってやるの?
「同意すれば見せられるよ。」
同意してメディさんにステータスをみてもらう。
「平土匀って・・・同級生か!?あんな、こう言うゲームは本名を・・・」
え!?同級生!?
「それはアタシからも言ったから勘弁してあげて。それにアタシだって本名じゃん。」
「せやけど・・・」
「この話終わり。それで、作ってくれる?」
「彼女、ステータス見た感じ少し変やけど初心者やろ?素材か金持っとるんか?」
ミライがメディさんに耳打ちをした。
「え!?そんなにあんの?何でウチのとこに来たんや?もっと良いところあるやろ?」
「職人気質なプレイヤーだと紹介しなきゃいけないじゃん?ほら、アタシ、出禁の店多いでしょ?」
店も出禁って何したの・・・。
「例のプレイヤーが根回しして嫌がらせしてんの。」
「今、ミライが使える店は、その時に助けられたプレイヤーの経営店だけやしな。」
メディさんも?
「ウチはちゃうで?」
「メディはノリノリで取り巻きをしばき倒してたからね。例のプレイヤーからの嫌がらせで店に客が来ない様にされてるの。」
・・・え?
「まぁ、気にせんといてや。うちの店はNPCとの取引メインやから。単価は安いけど安定するんや。」
それで、作ってもらえるんですか?
「まずは、実力見せてみ?」
メディさんは得物を構えていた。




