ギルドに登録
確かここかな?
このゲームには冒険者ギルドがあり魔物を倒して素材を手に入れたりして売ってお金を得るのが主な収入源だが、討伐しただけでもお金を貰えるらしい。
「いらっしゃいませ。冒険者ギルドにようこそ。」
眼鏡のお姉さんが優しく微笑んで話しかけてくれた。
「本日はどの様な用件ですか?」
魔物の討伐記録を見て頂きたいんですけど・・・
「討伐記録を見させて頂きますね。」
お姉さんが私を見つめると空中で指を動かし始めた。
「・・・少々お待ち下さい。上に相談させて頂きます。」
え?何で?
数分後、眼鏡のお姉さんがワイルド系の女性を連れて戻ってきた。
「こいつが、例のプレイヤーか。悪いがステータスの全てを見させて貰った。」
ワイルド系のお姉さんは私を凝視していた。
「私の部屋まで来て貰おう。」
ワイルド系のお姉さんが指を鳴らすと受付ではなく、どこかの部屋の中にいた。
「悪い、悪い、私はライスカンパニーの・・・」
「ギルマス、ここは会社では無いので、役割通りに。」
「おっと、当ギルドマスターのイルドだ。よろしく。」
このギルドマスターのうっかり発言の中にあった『ライスカンパニー』というのはこのゲームの運営会社だ。
ミライ曰く、AIやプログラムだと不具合が出た時に対処不可能な所があるらしく、運営会社の人がギルドを運営をしているらしい。
(何でミライはそんな事を知っているんだろう?)
何か私に問題があったんですか?
「ストレートに言わせて貰うと、チートの疑いが出てな。はぐれ妖精猫はデータはあるが未実装だ。勿論、私はアンタが不正を行ったとは思っていない。最高責任じゃないや・・・最高神様に聞いてみないといけなくなった。あの方なら全てを見れるからな。」
そう言って何処かへ通話し始めた。
「もしもし、あー私だ。変わったプレイヤーの問い合わせを・・・もう調べ済み?白?え?は?料理が冷める?電話切る?あ、切れた・・・。」
変な空気になったがギルドマスターは真顔になり
「確認が取れた。流石最高神様だ。」と言った。
「一応、どうやって該当のモンスターを出したか聞いておきたい。」
はぐれ系チケットで出した事を説明した。
「ちょっと待って下さい。はぐれチケットって、初期ユーザーに3枚配られたアイテムですよね?どうして最近始めたあなたが持ってるんですか?」
私から事情を聞き終えた眼鏡のお姉さんが聞いてきた。
友達から貰いました。
「その友達のアバターの特徴は?」
象の被り物してます。
「アイツか!」
え?始めたばかりだって言ってたのに有名なの?
「有名だよ。開始1分でランク1位のプレイヤーを倒してるからね。運営は事態を重く見て対人戦の大会は殿堂入り扱いで出禁にして、レイドイベントは当社からの縛りを設けて参加して貰う事になってる。後、彼女のスキルは・・・」
「ギルマス!これ以上は個人情報の保護の観点から駄目です!」
「そうだな。知り合いみたいだし当人に聞いたら良い。今言えるのは彼女ならチケットを持っていてもおかしくは無いと言う事だ。」
そうですか。
「たまにはギルドに来いと伝えてくれ。おっと、これはギルドカードだ。これに電子マネーみたいな形でお金が入ってるから失くすなよ。」
ありがとうございます。
「そんじゃ、受付まで戻りますか。」
ギルドマスターが指を鳴らすと受付の所にいた。
「お、ナラ来てたんだ。一緒に買い物行かない?」
ミライがギルドに入ってきた。
「ミライ、キサマ〜!」
「ぶへ!」
ギルドマスターがミライに飛び蹴りをかましていた。