依頼:ドラコラ火山に棲まう竜29
「マジックドラゴンの召喚石を私に下さらない?」
トレードなら良いですよ。
「ナラ、召喚石は稀少なアイテムでゲーム内オークションでもアホみたいな金額が付く。はぐれとなると・・・。」
「魔導書と交換でどうです?」
あの・・・ドラゴンの鱗が欲しいんですけど・・・。
「魔導書か。それなら確かに釣り合いが取れそうやな。」
「物にもよるよ?人によって使えない物もあるし。」
「ナラ殿は殆ど、適性ないでござるよね?」
「前にレイカとみた時に無属性しか使えないのを確認した。」
「財テクに使えそうやけど・・・。」
皆話を聞いてない。
このままだと私は使えないかもしれない魔導書と交換しなきゃならないの?・・・。
「あなた方は私を何だと思ってますの?勿論、無属性の魔法の魔導書ですわよ。ナラに使えるかどうかも確認済みですわ。」
「どんな魔法?」
Samuraiさんがレイカさんに聞いた。
「ステータス・シェアの魔導書ですわ。」
レイカさんがそう言うとミライ以外は微妙な顔をしていた。
「レアだけどさ・・・。レイカ、私達相手だったら絶対にトレードはないよ。」
「使いにくい上に会得できる者も少ないでござるよ。」
ミライ、ステータスシェアってどんな魔法なの?
「10秒間、自分と対象のHP以外のステータスを対象と自分のそれぞれの合計値の半分にする。相手によっては失敗する可能性がある。」
味方にも使える?
「使えるけど、アオニヨシとかフェニックスヤッシー、妖精猫は無理だよ。」
そうなんだ。
『契約者よ、抜け道がある。その魔法を覚えよ。』
クヌチさんが語りかけてきた。
抜け道?
『後で説明をする。』
それじゃ、交換して下さい。
「ちょい待ち、価値が釣り合うかアタシが量るよ。」
ミライはそう言うと天秤を出した。
レイカさん、ドラゴンの鱗を3つほど頂けませんか?
「ドラゴンの鱗?それならお安い御用ですわ。」
「はーい、量るよ。」
ミライは、左側に魔導書とドラゴンの鱗を3つ、右側に召喚石を乗せた。
天秤は右に傾いた。
「レイカ、他にアイテムはない?」
「後は、使わない杖ですわね。」
レイカさんは魔法少女が使いそうなステッキを取り出した。




