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セントの塔25階層0
25階層に到着するとシステムとは違う声が聞こえて来た。
『良くここまで来た。・・・?何故、弱き者がここに来れた?』
弱き者?
『初期ステータスではないか。どんな手を使ったかは判らぬが、外に出よ!』
そう言われると、私は光に包まれて塔の外に出されていた。
『・・・御主人、今は挑戦する権利がないみたいっス。別の事をしてから25階層に再挑戦するっス。』
いつも、攻略の仕方や抜け道を提案してくれるクロちゃんが、いち早く諦めていた。
『契約者よ、少し黒猫殿と話がしたい。』
クヌチさんが勝手に召喚石から現れてクロちゃんを自分の背中に乗っけた。
『契約者よ、妾は煎餅を食したい。妾は今回、活躍したであろう?』
そう言って、私から離れていった。
・・・。
皆頑張ってくれたし、ご褒美でも買ってあげよう。
私は、皆への御褒美を買いに行くことにした。




