ちりめん問屋のミト
「それで、どうしたんじゃ?」
ミトさんに事情を説明した。
「成る程の。他の町に転移した方が早いの。」
やっぱりそうですか・・・。
「始まりの街にある、この店を訪ねてみると良い。」
店の位置が解る地図と飾りの付いた長方形の箱をくれた。
「その箱を店で見せて、ちりめん問屋のミトの紹介といえばわかるじゃろう。」
ありがとうございます。
転移で始まりの町に跳び、地図のマークの所まで行くと、オシャレなお店があった。
「いらっしゃいませ。当店は初めてですね?どなたかのご紹介でしょうか?」
はい・・・ちりめん問屋のミトさんに、これを見せるように言われたのですが・・・。
飾りの付いた箱を見せた。
「こ、これは・・・。大変失礼致しました。本日は何をお求めでしょうか?」
店員さんはかなり動揺している。
北のエリアに行きたいので防寒具を見たいのですが・・・。
「防寒具をお求めですね?サンプルがありますのでこちらにどうぞ。」
案内された先に行くとマネキンがあった。
「こちらの商品は今冬発売予定の物です。」
寒さが防げる物で有れば・・・。
「左様ですか・・・。」
店員さんはちょっとガッカリしていた。
ギルドカードを出そうとしたら
「お代は結構です。会長様の紹介ですので・・・。」
と言われてしまった。
え!?ミトさんってオーナーだったの?
「あれ?なんや、自分オシャレに興味あるんか?」
お店から出るとメディさんに声をかけられた。
いやぁ・・・あるプレイヤーに防寒具の相談したらこのお店をオススメされて・・・。
「防寒具・・・、ここ品物は確かなんやけど、高いやろ?リアルでTANBAやETIGOブランドを展開しているロクゴウグループの店やしな。このゲームに出資しとるらしく、発売予定の服をプロモーション兼ねてゲーム内の装備アイテムとして出しとるみたいやな。」
あーそれで今冬発売予定のって言ってたのか。
所でロクゴウグループって?
「知らんで店に入ったんかい・・・。自分がオシャレに興味ないのはようわかった・・・。」
メディさんに呆れられてしまった。




