メンテナンス1(ミライ視点)
皆に説明するにしても目の前に残ったナラのアバターをどうにかしなきゃ。
イルド、緊急メンテナンスにした方がいいかも。
「女神様の方針には従いますよ。重役達には私から説明します。」
ありがとう、イルド姉。
緊急メンテナンスを行います。
プレイヤーの皆様、大変申し訳ございませんが、18:00より緊急メンテナンスを行います。
ログイン中のプレイヤーは強制的にログアウトさせて頂きます。
メンテナンスの終了時間は未定です。
ご迷惑おかけします。
通達はこんな所かな?
まぁ、緊急メンテナンスなんてした事ないから、出たとこ勝負だけど・・・。
「そんで?」
何がですか?
「最強のプレイヤーと創造主が同じとはね。所で、私の名前変えてくれない?」
圧が凄い・・・。
プレイヤー:ネームドは名前を変更するスキルを所持してますよね?
「・・・ミライ手伝った方がいい?」
ミライ?プレイヤー:Samurai、アタシは女神様ですよ?
「慌てすぎて一人称が『アタシ』のままでござるよ?」
・・・やらかした。
「4人とも、勘弁してやれ。これまでも、彼女は自分が出来る範囲でやって来た。今だってどうにかしようとしてる。」
イルド姉、もう良いよ。
「良いのか?」
・・・いつ、気がついたの?
「ナラがゲーム始めた頃やな。」
・・・あの頃は女神もプレイヤー:ミライも両方いたよね?
なのに何で同一人物だと?
「両方いたのは分身でござるな?」
・・・正解。
「・・・それに、現実のミライ一度だけ美少女だった。」
「そうだね。」
「せやな。女神様の顔がそん時のミライと一緒だったんや。」
小さい頃に婆様の手伝いでロクゴウグループのパーティーに行ったことがあった。
よく覚えてたね・・・。
「それとな、確信を持ったのはシノや。」
「そうでござるよ。塔の100階層の石碑を読んで確信を得たでござるよ。」
そうか・・・あのバグの時に石碑を読んだのか。
アレはゲームとはいえ再現が難しかった、技や魔法が記されている。
成る程、シノが分身を覚えて、変化の術とか使ってレイカと船に乗ったのか。
「エンディング代わりにスタッフの名前が書かれてたでござるよ。『創造主:ミライ』と。」
そう、女神の本当の名前・・・それが、アタシだと知ることができる。
バグで100階層に行ったのは想定外だった。
「すまないが、セントの塔100層の踏破者が現れるまで内緒にしておいてくれ。」
イルド姉がそう言うと、4人は頷いた。




