魔法を覚えよう6
ミライが頭を下げたく無い人物は始まりの町の噴水前にいた。
その人物は、どうやら誰かと話している。
「お?ナラどうしたの?」
相手はネームドさんだった。
何してるんですか?
「取引ですわよ。」
「お互いが使えない技や魔法の書物を交換してるんだ。」
え?使えないとかあるんですか?
「魔法には属性があって、人によって偏ったりして使えない属性がありますのよ?その点、ワタクシは全て使えますけどね。おっほほほほほ!」
見事な高笑い。
「君はアルティを使えてるから無属性の適性は高いみたいだね。」
ステータス・アルティ・フルバーストは無属性の魔法らしい。
適性って見れたりしますか?
「5000で技と魔法の適性を見て差し上げますわよ?鑑定書付きで。」
「レイカ、かなり格安だね。一体どういう風の吹き回し?」
「合法的にナラのステータスを知れるからですわ!」
うわ・・・。
『御主人、相場よりかなり安いっス。診てもらった方がいいっス。』
え、そうなの?
『鑑定書付きだと10倍位は当たり前っスよ。』
レイカさんに魔法の適性を知られてしまうけど・・・。
『それを差し引いてもっス。』
うーん・・・クロちゃんがそこまで言うなら。
・・・それじゃあお願いします。
お互いのギルドカードを重ねて支払いを済ませるとレイカさんは私の頭に手を翳した。
「ナラ、貴女・・・魔法の適性が低すぎて習得が困難なタイプですわよ?」
それじゃあ、技の方は?
「技の方も絶望的ですわね。素手ですら適性が低いなんて、呪いか何かの類としか言いようがないですわ・・・。」
え・・・。それじゃあどうすれば・・・。
「魔法は無属性だと付与と召喚ですわね。ネームド、付与は任せましたわよ。私は召喚魔法を教える用意をしますわ。ナラ、授業料として多少の出費は覚悟していただきますわ。」
そう言って、何処かへと行ってしまった。
「まぁ、そうなるよね。付与は得意だし。ナラ、魔法の館には入れるかい?」
魔法の館ってギルドの隣にある建物ですよね?
前にミライと行ったことがあります。
「それなら話が早い。1万ほど費用が発生するけど大丈夫?」
それも大丈夫です。
「それじゃ、行こうか。」
私とネームドさんは魔法の館へと向かった。




