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テイルエリアからエルフの郷へ1
次の日、学校から帰ってゲームにログインした瞬間、サイコロの大きさの黒い箱(クロちゃんの召喚石)からクロちゃんが勝手に出て来た。
『お、来たっスね。取り敢えず、乗合馬車がもうそろそろ来るっス。』
え?馬車あるの?
江戸の街並みに洋風の馬車って、世界観が変じゃない?
『あるっスよ。何でも、本当は駕籠にしたかったみたいっスね。』
駕籠って竹とか木製の座席を1本の棒に吊して、前後から人が担いで運ぶ乗物だよね?
『そうっスよ。馬車並みに速いとリアリティーが無さすぎるし、かと言ってリアルに近づけると、結果的にプレイヤーが自分で走った方が効率良くないか?ってなってボツにしたみたいっスね。』
何でそんな事知ってるの?
『直近のイベントの時に女神様の愚痴を聞いてたっス。』
あー、それで製作の裏話を知ってるのか。
『あ、来たみたいっスね。』
私達の目の前に大きいカボチャの形をした馬車が停まった。
え?カボチャ!?
何でカボチャなの?




