イベント:職人達の後継29
「あら?」
私は素材調達の為に隠し商店に来ていた。
ここならば、確実に欲しい物が買えると判っているから。
私はOKABOOさんに女神様が融通利かせてくれる旨を伝えたら
「そう、あの子がね。代金はあの子に請求するから大丈夫よ?」
え!?女神様からお金取るんですか!?
「神様でも取引するのだからお客様よ?頂くものはしっかりと頂かないと。」
OKABOOさんの表情は満面の笑みだった。
「「『ちょっと待った!』」」
女神様とミライとクロちゃんが隠し商店に来ていた。
「アタシの友達騙そうとするのやめてくれない?」
「OKABOO、私からお金を巻き上げようとしてますよね?」
『御主人、よく考えるっス。アタシらはアイテムを生成できるスキルを持ってるっス。』
え?
「OKABOOから買う必要はありません。」
もしかして、融通利かせるというのは・・・。
「私が創り出して、直接渡します。」
あ、そういう感じだったんですか?
私はてっきり『資金を気にせずに』アイテムの融通を利かせてくれるものだとばかり・・・。
「良いの?私は女神様が特定のプレイヤーに肩入れするのは良く無いと思うけど?・・・ん?」
OKABOOさんは何かを察知した様で、店の外を気にしていた。
どうかしたんですか?
「このお店の前に空間の裂け目が出来てる。それで中から強面の人が出てきたわ。」
強面の人って・・・レ「・・・なぁ〜に?何処なの、ここ!?アタシの知らないエリア?」
うん。思った通りの人が来た。
「会社の権限持ちの重役の方ですね?お疲れ様です。」
OKABOOさんはレイモンドさんに一礼をした。
「私はトップなんだけど・・・。何で差があるですか?」
レイモンドさんとの扱いの差に女神様の顔は引き攣っていた。
「アタシが知らないAI!?コレはお説教が必要な様ね?」
レイモンドさんは女神様に鋭い視線を送った。
「ここと、彼女の存在は現場には知らせてありますし、ある個人ブログに掲載されている情報です。問題は無いかと。」
「オジキ、今回は理由があっての脱走だから勘弁して。」
『そうっスよ!オジキは、アタシを追いかけて来たんっスよね?』
「そうよ。猫ちゃんの箱型の召喚石を使ってここの座標を割り出したのよ。」
『本気で逃走するなら箱を取り返した上で出てくるっス。』
「それもそうね。ナラちゃん、貴女も来てくれるかしら?」
まだ、行けないです。
これから隠し庵に行かないと行けないので。
「女神様、隠し庵とやらにナラちゃんを送ってあげて。」
「アタシも行くよ。」
「ミラちゃん、猫ちゃん、アナタ達はダメよ?」
『「イヤーー!」』
クロちゃんとミライは首根っこを掴まれて引き摺られながらレイモンドさんと共に居なくなった。
女神様が手を空にかざすと隠し庵に戻ってきていた。




