イベント:職人達の後継27/セントの塔15階層
助けてほしいって何をすれば・・・。
「マフィアみたいな漢に監禁されています。」
それって・・・。
「叔父貴な。」
メディさんは呆れていた。
うん、レイモンドさんだね。
「貴女の頼れる黒猫も一緒に囚われてるんですよ?」
クロちゃんは貸し出したんです。
制限かけられちゃってるし、レンタル代くれるみたいだから・・・。
『アタシは何も聞いてなかったっスよ!』
クロちゃんの声が聞こえた。
どうやら女神様と一緒に監視されている様だ。
そう言えば、レイモンドさんが、クロちゃんにも報酬出すって言ってたよ?
『あんなの実質罰ゲームっスよ!御主人助けてっス。』
ダメ、今回は大人しくしてなさい。
女神様も助けてあげられません。
「せやな。叔父貴怒るとホンマ怖いからやめといた方がええ。女神様も知っとるやろ?」
「・・・。」
女神様は反論しなかった。
あれ?何度もミライは脱走してるけど、レイモンドさん怒ってないの?
「叔父貴は、ウチら姪を結構可愛がってくれててな。特にミライとは色々あって1番可愛がってるんや。だから滅多な事をやらかさん限り怒らん。」
そうなんですか?
「そもそもミライ以外はレイモンドの叔父貴から逃げようとせんよ。」
何故ですか?
「叔父貴の経歴が軍人やら探偵でな。人探すの得意なんや。あ、今は社長やりながら、お料理教室の先生やっとるで。」
凄い異色の経歴・・・。
「あ〜ら?誰とお話し中なの?」
レイモンドさんの声がした。
あ、レイモンドさん、ミライは逃げてませんか?
「その声はナラちゃんね。今のところは逃げてないわよ。それよりも、イベント中なのに色々、我が社の不手際でごめんないね。困ってる事があったら力を貸すわよ?」
良いのかな?さっき女神様から素材を貰う約束を取り付けたし・・・。
「アタシが個人的に力を貸したいのよ。」
それじゃ、お言葉に甘えて。
セントの塔15階層のシークレットエリアの行き方何ですが・・・。
「ごめんなさいね。アタシは答えてあげられない。女神様、変わりに答えて?」
「・・・。私の口からは詳しく言えません。気まぐれな黒猫便の黒猫のアイコンをクリックしなさい。知りたい事はそこにあります。」
また、『気まぐれな黒猫便』?
と言うよりも女神様も知ってるんだ。
「さぁ、女神様と黒猫ちゃん、おめかしの時間よ。ナラちゃん、手伝いが終わったら貴女もモデル受けてくれるかしら?報酬弾むわよ?メディちゃん、頑張りなさい。応援するわよ。」
考えておきます。
「叔父貴・・・ありがとうな。」
通話が切れた後に個人ブログを確認しに行き黒猫のアイコンをクリックすると、その先のページにはこう書かれていた。
シークレットエリア一覧
シークレットボス攻略
「なぁ、ナラ。自分、幾つかのシークレットエリアに行って何体かシークレットボス倒しとるんやろ?」
ええ。アドバイス貰ったり偶然だったりしますけど。
「自分にアドバイス送ったのって・・・。だとすると、コレ書いとるのもしかしなくも・・・。」
ミライですよね・・・。
「隠し庵はコレやな。11階〜14階層で入手した木炭を15階層にある七輪に焚べる。」
七輪?もしかしてあれですかね?
明らかに不自然に置かれた七輪があった。
「アレやな。前に来た時は無かったな。」
そういえば、さっき来た時には無かった。
「焚べてみるか。というか、何であのアホは七輪が出現してる事に気がついて、火を起こそうなんて思うたんやろうな。」
そう言って入手した木炭を全て七輪に入れて火をつけた。
すると何処かの工房に飛ばされた。
「別のシークレットエリアやな。例のブログによると翠の・・・。」
メディさんが例のブログを確認していると、工房から作業着を着た女性が出て来てこう言った。
「翠のツーリーフ。以後お見知り置きを。」
ツーリーフと名乗った
「・・・何の冗談や?」
メディさんの表情は引き攣っていた。




