セントの塔13階層イレギュラー5
『御主人、休めてるっスか?』
うん、休めてるよ。
『御主人、スキルは使ったっスか?』
いや、今日はまだ使ってないよ。
『そうっスか。』
急にどうしたの?
『アタシが、女神様と来たのは、アタシも女神様と同じ事が出来るからっス。』
同じ事?
「バグ修正っス。」
前々から思ってだけど、クロちゃんって・・・。
「ナラ、無事か?」
メディさんの声がした。
2人が13階層から戻ってきた。
「入り口付近のは倒したで。」
「さ、いきましょうか。」
階段を上がり13階層へ進むと、森が半分、焼けていた。
「消し忘れた・・・。」
「せやな。」
何やってるんですか!
「自分、女神パワーでどうにかできひんの?」
「通常時なら出来ますが、今は私の管理下から外れているのでどうしようも・・・。」
「意外に役に立たんな。」
メディさんは女神様に辛辣だ。
「だから、直接出向いて修正してるんです。」
何か2人とも大分親しくなってませんか?
「元からウチは誰にも、こんなもんや。」
そうなんですか?
「せやで。なぁ、黒猫は何で明後日の方向を見とるんや?」
どうしたの?クロちゃん。
『・・・14階層の方に何かいるっス!』
え?居ないよね?
「何もおらんよ?」
「いますよ?」
女神様とクロちゃんは何かが居るのを察知したようだった。