セントの塔8階層
「先に言うておく、ファンシーさんと輝くファンシーさんは全く別物や。ファンシーさんからダメージを貰う事はほぼ無いんやけど、輝くファンシーさんはウチのHPを75%削るくらいの攻撃力を持ってるんや。」
・・・はい!?
「しかも、睡眠効果はそのままや。」
睡眠じゃなくて・・・
「人によっては教会送りやな。」
うわ・・・、絶対避けなきゃ。
「ウチが周りのファンシーさんを全部倒して、輝くファンシーさんのターゲットも取るからその隙にいつものアレ頼むで。」
いつものアレ?
「ステータス・ドロップ・バーストや。アルティーでも良いで。固定ダメージ20以上なら倒せるからな。ほな、行こうか。」
メディさんはハンマーに炎を纏わせて一瞬でファンシーさんを焼き尽くした。
「RA RA RA〜!」
輝くファンシーさんはメディさんに向かってビームを発射した。
「しまった・・・。」
メディさんの体は地面に倒れて頭の上にZzz・・・と表記が現れた。
「ステータス・ドロップ・バースト!」
輝くファンシーは倒れた。
輝くファンシーさんは召喚石を落とした。
メディさん?メディさーん!
駄目だ。起きる気配がない。
「くまぁ!」
ポラリスちゃんが勝手に出てきてメディさんを軽く叩いた。
「は!ウチは眠った筈なんやけど?」
ポラリスちゃんが起こしてくれたみたいです。
「クマァ!」
「流石、養蜂熊のレア個体やな。」
そういえば、レア個体って普通の個体と何が違うんですか?
「さっきのファンシーさんと輝くファンシーさんの関係と同じや。まず、見た目。次に能力やステータス、スキル。養蜂熊の場合は毒系のデバフに特化してるんやけど、レア個体の方は状態異常からの回復も行えるみたいやな。」
そうなの?前にステータスを見た時は状態異常回復なんて無かったけど・・・。
「レベルが上がって覚えたんやろ?ミライから聞いたけど、何かヤバい魔物相手にしとるみたいやし。」
そういえば、輝くファンシーさんが召喚石を落としたんですけど、いります?
「うちの趣味やないから要らん。ナラが、使うなら譲るで。要らんなら売りに出すけど。」
そしたら有り難く頂きます。
今度何かモンスターがアイテム落としたらメディさんに譲ろう。
「クマァ!」
ポラリスちゃんが背中に乗れと言ってる気がした。
「ウチも良いんか?」
「くまぁ!」
ポラリスちゃんは頷いた。
メディさんと一緒にポラリスちゃんの背中に乗り8階層を駆け抜けた。