イベント:職人達の後継6
メディさんと竹林を暫く歩くと、茅葺き屋根の庵が見えてきた。
「誰かおるんやろうか?」
ごめんください。
そう言って中に入ると1人の大柄な女性が鉄を打っていた。
「頼まれてる物は、後3日掛かる。出直して来な。」
いえ、違うんですが・・・。
「・・・誰だ!?どうやってここに来た?」
私はOKABOOさんからビー玉を貰い、それを使って、ここに来た事を伝えた。
「そうか・・・あの人がここに行けと。俺はcider。金属を作り出したり打ったりする事しか出来ない女さ。それで、ここに来た用は何だ?」
「玉鋼を作れんか?」
「作れるには作れるが・・・。何日かかかるが、大丈夫か?」
ログアウトして時間が経つのを待てば良いのでは?
「無理や。」
え?
「どうやら、ここはログアウト出来んみたいや。」
ログアウトボタンを押そうとしたが、ボタン自体がなかった。
流石に何日も残るのは・・・。
「うちは残るで。」
え・・・。
「・・・事情を話せ。」
メディさんは庵の女主人に自分の夢と置かれている状況を話した。
「俺は女神の記憶から創られた人工知能だ。だが、基になった人物と同じ技量を持っていて、腕には自信があるし、自分のワザを誰かに継いで欲しいと思っている。」
やっぱり、この人もAIなんだ。
「メディと言ったか?ここは創られた世界だ。
ボタン1つで物を作れるこの世界で、敢えて現実の・・・しかも、古くから伝わる製法で拘るお前に継いで欲しい。」
庵の女主人はメディさんを気に入った様で弟子にしたい様だ。