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イベント:職人達の後継4-隠し商店


ミライが教えてくれた通り、黒い簪をロクゴウグループの店の前で使ってから扉を開いてみた。


すると、その先は誰かの部屋になっていた。

そこには1人の若い女性がいた。


「いらっしゃい。オオバ商店へようこそ。みぃちゃん、今日は何が必要なの?」

オオバ商店?みぃちゃん?


「あれ?みぃちゃんじゃない?確かに気配はしたんだけど・・・私はOKABOO。貴女は?」

ナラって言います。


「ナラちゃんね。みぃちゃんのお友達?」

みぃちゃんってもしかしてミライ?

ミライなら友人です。


「そう、やっぱりお友達なんだ。でもどうやってここに?みぃちゃんは『隔離されてるから特殊な方法でしか来れない』って言ってだけど・・・。」

これをロクゴウグループの店の前で使えって言ってました。

私は黒い簪を見せながら説明した。

「懐かしいね。・・・この簪を鍵に、坊やの店を扉にしてたのね。全くあの子は・・・。」


あの子は恐らく女神様の事だと思う。でも坊やの店って?ミトさんは大分ご高齢なんだけど・・・?

「この簪はね、弟子だった坊やが愛する人に贈った品なの。私が用意したんだ。」

え!?弟子だった!?じゃあOKABOOさんの年齢は・・・。


「私は、生きてないの。あの子の記憶の中の私を模した人工知能。」

表情や仕草はプレイヤーと同じなんだけど・・・。


本当にAIなんですか?

「あまり多くは言えないけど、この世界に居る私と同じような存在は、あの子の記憶を元にしてるの。」

あの子って女神様?

「そう。私の元になったのはあの子に関わりのある人で商人をやっていた人物。だからこの世界でも商人をやらして貰ってるの。」

商人・・・この部屋、品物ないですよね?

そう、この部屋には売り物が何一つない。


「私は異能を持っていて、この世界の何処からでも欲しい物を取り寄せられるし売ることもできる。ただ、取り寄せる場合はお金は必要だけどね。」

それじゃぁ・・・。

「みぃちゃんがここを教えたって事は必要な物があるのでしょう?」

玉鋼が欲しいです。

友達が包丁を作るのに探してるんです。

予算はこの位です。



「包丁かぁ・・・。それ用の玉鋼は高騰してるから、その予算だと買えないね。」

それじゃあ、これはどうですか?

OKABOOさんにメモを見せた。


「成る程、それなら予算内で都合はつけられそう。便利に鋼を造れるこの世界で昔ながらの方法を使う若い子がいるとはね・・・。使い捨てになるけどこれをあげる。」

OKABOOさんからビー玉を2つ受け取った。


「何処の鍛冶屋でも良いから、そこの前で使ってみて。面白い事が起きると思うから。」

そう言ったOKABOOさんの表情は何処となく誰かに似ていた。

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