イベント職人達の後継開始前7
「ミライちゃん、良くわかったね。」
「双葉伯母さん、攻撃力が0の付与がない、包丁を作る様にしたら?」
「それただの包丁よね?」
「そう、ただの包丁。現実の包丁そのもの。」
可能なの?
「ユニーク武器なら可能じゃろうが・・・。」
ミトさんは眉間に皺を寄せながら呟いた。
「難しいでござるな。」
「メディでも流石に・・・。」
「ミライ底意地が悪い。」
「ちょっと、バカミライ!貴女、あの子の夢を終わらせる気ですの!?」
ミライは従姉妹達から非難された。
「・・・どの道、アタシの真意が解らなきゃ、メディは、いつか壊れるよ。」
ミライの表情はいつもと違い真面目だった。
「真意ね・・・成る程、良いよ。師匠でも多分そう言うと思う。流石、師匠の・・・。」
副社長さんが何かを言い掛けようとしたら、ミライは通話を始めた。
「あー、メディ?一方的な通信だから応えなくていいよ。私から依頼、攻撃力が無い包丁を頼む。勿論、コンテストに出して良いし、入賞したなら高く買うよ。後、今回のイベントはアタシを含め従姉妹は全員手伝えない。通信終わり。」
ミライは通話を切った。
「双葉伯母さん、工房の件は一任してるし、アタシは職人にはならないよ。そんじゃ、アディオス!」
ミライはいつもの軽い調子に戻り、いつの間にか居なくなっていた。。
「逃げたでござるな。」
「逃げたね。」
「逃げましたわ。」
「逃げた。ミライのシリアスは長く持たない。」
「そう言うてやるな。ミライちゃんなりに考えて普段は、あんな感じなんじゃから。」
そうなんですか?いつも軽いノリだから・・・。
「ミラちゃん?アタシから逃げられると思ってるのぉ?逃さないわよ!」
社長さんがニヤリと笑ったのを私は見逃さなかった。