ホラーイベント5.5
「火遁:炎火の術」
黒い炎が不死の魔物を焼いた。
「うへー、ウィスプとか霊魂とか炎を炎で焼いてるよ・・・。怖ぇ・・・。あ、コイツはアンデットにならないんだ。」
象の被り物をした女性アバターが何かの作業をしながら引いていた。
「あの大技使うとか、だいぶ荒れとるな・・・。何があったんや?自分知っとるやろ?」
「知らない。」
「いや、イズキちゃん、一緒に行ったから知ってるよね?後で、ミライのお婆ちゃんのお店にご飯食べに行かない?デザートもつけて良いからさ。」
「・・・ネームドの奢り?」
「うん。だから話して?」
「うちも食べに行きたいから3人で頼むわ。」
「・・・メディは自腹ね。」
「婆様、友達が遊びに来る。え?私がやるの?うへーイベントやる時間が・・・。」
侍は3人に起きた事を話した。
すると、ミライは立ち上がり
「彼氏と痴話喧嘩?」と声をかけた。
「・・・何、ミライ?」
忍者は殺気を放ちながらミライを見た。
「ミライ、デリカシーなさすぎやろ・・・。シノブ、ござるが抜けとるで?」
メディはため息混じりに呆れていた。
「・・・皆いたの?」
「いたよ。イズキから聞いた。彼に謝って来なよ。」
「・・・。」
忍者はそっぽを向いた。
「やめてよ?私の勧めたゲームで別れたとか後味悪いんだからさ。彼の現在の居場所は森エリアの洋館だね。ナラもいたんでしょ?だったら変な事は無いって。おお!?これは進化するのか!」
「・・・うん、謝ってくるでござる。」
そう言い残して忍者はいなくなった。
「それで?ミライ?」
「ん?何?」
「来た時からそうやけど、何しとるんや?」
「生きてるヴァンパイアから牙を引き抜いて本体とリンクが切れない状態にして、魔物に牙で傷を付けてアンデット量産して倒してる所。」
「自分の倫理観どうなっとるんや・・・。」
「ゲームとはいえ、流石にね・・・。」
「・・・。」
3人はミライに対してドン引きしていた。