再現4
「ナラは休んでいてくれ。再現にはレイカとネームドを行かせる。」
『御主人、流石に少し休むっス。アタシも少し休むっス。』
うん、そうだね。クロちゃん、お疲れ様。
「シュミレーター起動!」
イルドさんがシュミレーターを起動するとレイカさん達の足元に魔法陣が出現し2人は何処かへと消えた。
「あれを使えばモニタリングできる。」
イルドさんが部屋の真ん中にある大きなガラス玉を指差した。
あれ飾りじゃないんだ。
『見づらいのでテレビ型にしませんか?』
女神様の声がした。
「・・・世界観が台無しになるからダメ。」
ミライ・・・。
「ん?何?」
名前が絡むからネームドさんを呼んだのは解るけど、何でレイカさんを呼んだの?
「アイツはこの世界の魔法は全て習得してるから。」
魔法ならミライも使えるのに何で・・・?
『プレイヤー:レイカは召喚石のコレクターとして有名です。逆にプレイヤー:ミライは召喚石を持っていないのですよ。だから呼んだのでしょう。』
女神様が答えを示してくれた。
ミライは持ってないの?
「私は必要ないから召喚石を持ってない。」
本当に持ってないの?
「間違いなく持ってないよ。入手しても譲渡するかオークションで売却するし。」
召喚必須のイベント来たらどうするの?
「・・・ないと思うよ?」
「ほう?それは面白そうだな。おっと、2人が交戦状態になったみたいだな。」
『・・・。』
雑談をしているとガラス玉に映像が映し出された。
「養蜂熊でしたわね。先ほどオークションで入手したのを早速使うことになるとは・・・。ウィニー出てきなさい!」
『ぷまー!』
黄色い養蜂熊が現れた。
「もう名前つけたんだ。ちょっと失礼。『ナヅケノオウギ』はい、これでこの養蜂熊は名前が未設定だよ。」
ネームドさんが熊に扇子をかざした。
「ウチの子、二撃必滅のスキルは持ってませんわよ?」
「はい、ミライからの支給品の巻物。使っちゃうよ?」
『ぷまー!』
「・・・。」
「ナラが連れていた黒猫の動きは私がやるからステータス・アルティ・フルバーストをお願いね。」
「ワタクシが呼ばれた理由って、ほぼ、ステータス・アルティ・バーストの為ですわよね?ミライ!ムキィー!」
「うん。その魔法、覚えてる人は、ほぼ居ないからね。知ってる限りだと私含めて3人だし。」
ミライが物凄い良い笑顔だ。
「レイカ、来るよ!先にクマの方に炎耐性付けてあげてね。」
蒼炎を纏った狐の骨が現れた。
「レジスト:オール!からの、ステータス・アルティ・フルバースト」
「スキル:輪詠唱発動!ステータス・アルティ・フルバースト!」
『ぷまー!』
レイカさんの養蜂熊はポラリスと同じ手順で骨の狐を倒した。
すると・・・
「成功したみたいだね。」
「そうですわね・・・。」
2人の足元には呪われた召喚石が転がっていた。