クロとイルド
「ナラ、頭の上にいるのは何だ?」
『ご主人の召喚獣っス。はぐれ妖精猫の。AIが組まれてるんで話す事も、オートで行動する事も可能っス。』
「・・・確認するが、はぐれ妖精猫の召喚獣だよな?」
『そう言ったっスよ。』
「・・・前にも言ったと思うが、はぐれ妖精猫はデータはあるが未実装だ。どうやって・・・あ〜アイツか・・・。」
イルドさんは私の召喚石が付いている指輪を見ながら頭を抱えた。
「ナラ、少しその黒猫を借りて良いか?」
「ありがとう。それと、ここに来る前にいた場所まで戻るか?」
どうしようかな・・・。
『ご主人、熊の召喚石の傷を治してあげるっス。』
そうだね。
「そうか。そう言う事なら、ギルドの掲示板を活用すると良いよ。傷入りの石を修復依頼をすれば来てくれると思う。」
そうなんですか?
「ギルドが中に入るから手数料は貰うけどね。」
『公式が間に入るから取引としては安全っス。』
わかりました。依頼をしてみます。
私は急いで掲示板に向かった。
「さて、お前は一体何なんだ?私は知らないぞ?はぐれ妖精猫の召喚石のデータなんかな。それと、ナラは気がついていなかったようだが、ギルドでは召喚不可なのに何故お前はここに居るんだ?」
『やっぱり、気がついちゃったっスね。』