セントの塔6階層4:黒の・・・
気がつくと何処かの庭にいた。
あり辺りを見渡すと日本家屋があった。
『シークレットエリアみたいっスね。』
シークレットエリア?それって確か何かの条件を達成しないといけないんだよね?
『条件は・・・』
「酉の核、つまり現地時間の18:00に階層を跨ぐじゃよ。」
襖がひとりでに開いて中で和装のお爺さんがお茶を飲んでいた。
『この爺様が隠しボスっスね。』
「ふふ。爺様か。」
お爺さんは嬉しそうに笑った。
『何がおかしいっスか!?』
「何だろうか。お前さんに言われると何だか嬉しくてのぉ。ほれ、おじいちゃんが可愛がってあげるぞ。」
お爺さんは孫と対面した時みたいに表情を崩していた。
『・・・アタシは何か嫌っス。』
対してクロちゃんは眉間に皺を寄せて心底嫌がっている。
どっちもプログラムの筈なのに表情が豊かだな。
あれ?何だろうか?このやり取り既視感が・・・。
『ご主人、コイツはシークレットエリアの守護者っス。倒すっスよ!』
「儂は黒の・・・何じゃったかな?」
・・・この守護者大丈夫なんだろうか?
『ご主人、油断したらダメっス!コイツのベースは!』
「流石じゃの。ちょっと話しただけで儂の正体に気がつくとは。」
いつの間にかクロちゃんがお爺さんに抱き抱えられていた。
「ほれ、もう一度、爺様と呼んでおくれ。」
『ぎゃーあ!!!』
そのまま、お爺さんはクロちゃんを撫で撫でしていた。