セントの塔6階層3
『暗闇の中を歩くのは退屈っスから、一つ話をするっス。昔、お爺さんと孫娘がいて、貴族に酷い扱いをされて亡くなったって、このゲームの、とある王国の設定があるっス。』
クロちゃんは急に話し始めた。
どうしたの急に?
『ある国のお爺さんと孫娘は平民で、貴族から酷い扱いを受けて亡くなったらしいっス。その数日後、夜な夜な、暗闇から「何で?どうして?」という若い女の子の声がしたと思ったら奇声が上がるとか。その女の子はコチラに気がつくと、「恨んでやる、怨んでやる!」とコチラに近づいて気がつくと目の前にいて顔を覗かれるっス。』
・・・その後どうなるの?
『呪い殺されるらしいっスよ?』
え・・・!?
『その後、何人かの貴族が呪い殺された後、「爺、今そっちに行くよ。」って言って成仏した。って言う話っス。』
暗闇の中を歩いていくと、声が聞こえた。
「何で?どうして?ウキェェェー!」
奇声も上がった。
誰かいるよね?居るんだよね!?
『いるっスね・・・。(・・・あの人、何やってるっスか)』
「恨んでやる!怨んでやるー!」
え・・・これクロちゃんが話してた・・・。
『・・・(困惑)』
「・・・爺・・・・・今、そっちに行くよ。」
謎の人物はその場から消えた。
ねえ、今のって・・・?
『貴族に虐められた女の子の霊っスかね?(だいたい察したけど、黙っておこう。)』
ちょっと、やめてよー!
『大丈夫っスよ。霊が相手なら、その大変ありがたい数珠があるっス。呪い殺される事は無いっス。』
私は、急いでこの階層を攻略する事にした。