唐突なオフ会3
「あまり話すべきでは無いでござるが、ミライ殿は・・・。」
ココロさんが何かを言いかけると、
「御注文の品を届けにあがりました!」
とミライがみんなの前に料理を置いた。
「私の身の上の話は私がいつかするから、今しなくて良いよ。私達はあのジジイの孫で、みんな従姉妹。それ以上もそれ以下でも無い。」
ミライ?
「さ、爺様の一汁三菜を仕上げなきゃ。」
ミライが厨房に戻ると店の戸が開いた。
「ミライ、店番はしっかり出来とるかい?」
この店の主のお婆さんが店の中に入ってきた。
「おやおや、みんな、いつもありがとうね。」
お婆さんは私達の姿を見ると笑顔で話しかけてくれた。
「お邪魔してます。」
「お久しぶりです。」
「ミライ、腕上げてます。」
「婆さん、ミライに暖簾分けしても大丈夫やないか?」
みんなミライを誉めていた。
私も、前よりも腕を上げたと思う。
「あの子にその意志が無いからダメだよ。ね、ミライ。」
「そうだね。ゲーム関連で食べていきたいから料理でやってくつもりないよ。」
「ほい、爺ちゃんお待たせ。」
ミライは海堂さんに料理を提供した。
「おや?ジジイも居たのかい。」
海堂さんの姿が視界に入ると目つきが鋭くなっていた。
「ミライ、友達を送ってあげなさい。後、今日の給金だよ。大切に使いなさい。」
ミライはお婆さんからガマ口の財布を受け取った。
「そうさせて貰うよ。着替えてくるから店の外で待ってて。」
みんなが食べ終わって支払いをしようとすると
「お代はもう貰ってるよ。また、食べに来なさい。」
とお婆さんが言った。
「そう言う事でござるか。」
「いつの間に・・・。」
「祖父ちゃん、ありがとな。」
「ご馳走様。」
あの・・・私の分も良いんですか?
「良いんじゃよ。」
「みんなまだ中にいるの?」
外からミライが私達を呼んでいる。
「ミライちゃんが待っとるから早くいきなさい。」
ご馳走様です。
海堂さんにお礼を言って店を出た。
「株主総会が終わって姿が無いと思ったらここに来ていたとはね・・・。アタシが帰り支度に手間取っている間にね・・・。」
「・・・。」
「まぁ、いいさね。それよりもアンタの指定した株を買ったんだ。アタシに『ぱそこん』を教えな。」
「目的によってやる事が違うんじゃが・・・。」
「店の『ほーむぺーじ』作る為だよ!後は『くれじっとかーど』とか『電子まねー』とかの導入が・・・。」
「別の目的があるのに全く素直じゃないのぉ・・・。ロクゴウグループの専門家を派遣するから数日待ってくれ。」
数日後、パソコンを弄る育ての親を見たミライは大変驚いたという。
「婆様、何でパソコンを?」
「『ほーむぺーじ』作ろうと思ってね。」
「私がやろうか?」
「自分でやるから良いよ。」