契約成立
「何ですのこれは!?」
狐の骨(呪物)と鷹の爪(唐辛子)です。
「呪物と唐辛子じゃ無いですか!?」
鷹のキマイラから貰ったのは唐辛子の方の鷹の爪だったのだ。
クロちゃん曰く『これも鷹の爪っス。』。
そうだ、クロちゃんを呼ばなきゃ。
『もう、時間っスか?イブキさんに通話を繋げるっス。』
「あら?目の前にいるのに通話?」
すみません、オンにして下さい。
『イブキさん、それも鷹の爪っスよ。魔除けには使えるっスよね?』
クロちゃんの声を聞いたイブキさんはキョトンとした。
「ここ、ギルド内ですわよね?召喚はできない筈・・・あー、そう来ましたか。」
どう言う事?
『ご主人とイブキサンの通話に入り込んでる形っス。』
「よく、そんな事、考えつきましたわね。」
『まぁ、ギルド内でもチャットが出来るのは有名っスからね。ご主人を中継にすれば可能かなって。』
「アナタ、何でもありですわね。ええ、このランクの素材なら問題無く魔除けのものとして使えますわよ。呪物は祓えば神聖な物になりますし。ただ、呪物の祓い料は別途貰いますわよ?」
『想定済っスよ。』
「あら、てっきりアナタが祓うと思ってましたけど?」
クロちゃん出来るの?
『出来るっスけど、そこはアタシよりプロの方が確実っスからね。』
「祓い料は初回でオマケで安くしますわ。他にも呪物があれば、ついでに祓いますわよ?」
呪われた召喚石を出そうとしたらクロちゃんが語りかけてきた。
『ご主人、あの召喚石は出さなくていいっス。当初の予定通り象に見せるっス。』
そう。わかった。
「話は纏まりましたわね。」
ギルドの職員さんを呼び契約書を作って貰った。
『契約書はトラブルをうまない為にも大切っス。』
「これで成立ですわね。私のギルドカードの上にギルドカードを出していただけますか?」
こうですか?
イブキさんのギルドカードに自分のギルドカードをかざした。
『カードを合わせるとお金が動くっス。勿論、同意がないと動かないっスよ。残高確認してみるっス。』
イブキさんに支払った分が減っていた。
「出来上がったらメッセージ入れておきますわね。」
そう言ってイブキさんは去っていった。
呪われた召喚石を見せたいんだけど・・・ミライは何処にいるんだろう?
『今は、オフラインっスね。ログインだけした形跡はあるっス。』
ミライがゲームしないなんてお店が忙しいのかな?
ログアウトしてミライの様子を見に行く事にした。