数珠の素材集め6
『ココっスね。』
クロちゃんが養蜂熊に指示を出して移動すると洞窟の前にやってきた。
「クマァ。」
養蜂熊は小さくなって私の方に乗っかった。
『さっきの戦闘でレベルが上がってサイズを変更できる魔法を覚えたみたいっスね。』
「クマァー。」
召喚石に戻らなかったって事は一緒に戦ってくれるの?
「クマァ!」
『さっきの戦いで自信がついたみたいっスね。』
「クマァァ!」
それじゃ、一緒に頑張ろうか。
『こっちっスね。』
クロちゃんの案内で洞窟の中を進むとイノシシが眠っていた。
『どれどれ、『スキャン』・・・ええ・・・』
イノシシの情報を読み取ったクロちゃんは絶句した。
どうしたの?
『ご主人、レアモンスターを引き寄せる何かを持ってるんっスか?よりによってメスのはぐれパラレルワープボアとは・・・』
何かまずいの?
『高難易度のダンジョンに出てくる次元移動して来るイノシシっスね。一度ターゲットにされると、何処にいてもリスキルしてくる、ヤバい魔物っス。生存比は9:1でメスが少なく、オスは物理攻撃のみっスけど、メスは通常攻撃に加えて魔法を放ってくるっス。』
リスキルって、教会で復活したら即攻撃してくるって事?
『そうっス。』
じゃあ、一回やられた後にログアウトするとどうなるの?
『流石、ご主人。それが本来の唯一の対処法っス。ログアウトすればエンカウント情報消えるっスからね。まぁ、関わらないに越した事ないっス。別のイノシシを探すっス。』
そうだね。それじゃあ行こうか。
『あれ?ご主人!イノシシがいないっス!』
え!?
気がついたら、本日2回目の教会だった。
ログを確認すると魔法で倒されたと表示されていた。
『ご主人、来るっスよ!』
「クマァ!」
お供2匹は臨戦態勢になっていた。
ログアウトしようとするとクロちゃんがこう言った。
『アタシに任せるっス。牙が生えたブタは自分より弱い奴しか相手にしないっスね。ビビってるっスね?』
クロちゃんはイノシシを煽り始めた。