サバイバル
僕は外にポツンと突っ立っている。
行くところの案がない。
だって地図も持っていない。
近くの街がどのくらいにあるのかわからない。
モンスターにどうやってレベル1で勝てばいいのかわからない。
とりあえず身を隠すために遠くに見えた森に向かっていくことにした。
モンスターもいるかも知れないけど身を隠せる場所も有るだろう。
それに食料がなくなったらサバイバルして生きていくしかない。
鬱蒼とした森。
木は地球よりも太く大きく上を見ようとすると首が痛くなるほど。
銅の剣と皮の盾を握りしめながらゆっくりと森に入っていく。
隠れ家になりそうな場所がないか探しながらできるだけ音をたてずに移動していく。
しばらく行くと川があった。
そして大きな木の根本に穴があった。
うん。
ここを拠点としよう。
木の根元の中を確認して見ると結構な広さでゆったりできそうだ。
木の太さはここらの木では一番大きく、大人が二十人位で手を繋いだくらいだ。
入り口は小さめだが出入りには困らない。
敵にバレにくくなるだろうしこれはこれで良い。
川が有るので水を汲めるようにしたい。
あと釣りかな。
手で捕まえるのはちょっとなぁ…
とりあえず大きな蜘蛛の巣があって主は居なかったので取って一本にして、石と石で削って削って釣り針を作ってみた。
まぁ削るので時間がかかりもう夕方である。
ミミズ見ないな生き物を捕まえたので針に突き刺し川に垂らしてみた。
ちょっとしただけで引っ張られたので何とか頑張って引っ張ると、マグロみたいな見た目で角がついている鮭くらいの大きさの魚が釣れた。
ビッタンビッタンと暴れ呼吸ができなくなった用で動かなくなった。
はぁ、呼吸はエラ呼吸で良かった。
肺呼吸も出来ていたら俺倒せたかどうか…
『キングデーモンサーモンを倒しました レベルが上がりました キングデーモンサーモンの情報を閲覧可能です』
え？
王鬼鮭？
っと、レベルは？
あ、レベル10に上がってる！
って、オール100！
情報って何？
あの文字化けか？
うーん…とりあえず閲覧してみるか。
キングデーモンサーモン
デーモンサーモンの特殊進化
デーモンサーモンの群れを喰らい尽くし特殊進化した個体
デーモンサーモンと同じく地上では息ができず死ぬため人間によく狙われていた
だが狩り尽くされ、もともとの獰猛さも有り数少なくなっている
基本レベル7〜11
た、確かに倒しやすかったな…
というか進化するのか…
もう一回釣ってみるか。
…もう一匹釣れたが水の中に落ちてしまった。
うぅ…
契約使えないかな？
水中のモンスターは結構便利そうだし。
『キングデーモンサーモンレベル8を奴隷にしますか？』
『はい/いいえ』
え？
あ、そっかレベル下なら同意なしでも良いんだったっけ。
勿論はいを選んだ。
『キングデーモンサーモンを奴隷にしました 名前をつけますか』
『はい/ いいえ』
付けよう。
じゃあ…そのままでいいかな。
「王鬼鮭で。」
『キングデーモンサーモンは王鬼鮭に名前が付きました 特殊進化します』
「へ？」
すると王鬼鮭は水に包まれたと思うと一回り大きくなった。
他に変化はないのかな？
すると王鬼鮭は空中に飛んで泳ぎだした。
え？
地上では呼吸できないんじゃ…？
『王鬼鮭はキングデーモンサーモンからキングデーモンエアサーモンに進化しました キングデーモンエアサーモンの情報を閲覧可能です』
エアって…空気？じゃあ…
キングデーモンエアサーモン
キングデーモンサーモンの特殊進化
主に付き従えるよう地上でも生きることができるように進化した
奴隷で名前を得たキングデーモンサーモンのみ進化可能
野生には存在しない
お、おお…
ステータスって見れるのか？
ステータス
王鬼鮭
レベル8
スキル『大食い』『空泳』
体力130
力200
防御90
素早さ40
知力30
魔力40
運30
おお！
流石強い！
とりあえず釣れた一匹目を引きずりながら木の根元の住処に戻った。
枯れ葉を集めて木と木をこすり合わせてやっとのことで火を付けた。
釣れた鮭は鋭く削っておいた石で何とか捌いて焼いていった。
頭や内蔵を悪いけど王鬼鮭にあげた。
何とか 生きていくことができるかもしれないな！
あ、餌にしたミミズ…
まだ生きてたのか。
首を断ち切って殺しておいた。
『ウッドワームを倒しました ウッドワームの情報を開示可能です』
お。
一応見てみるか。
ウッドワーム
森に住むワームの一種
木を食物として生息する
木造の家で耐久力が減るのはだいたいこいつの仕業
大体の生物の餌になるが繁殖力が高く絶滅しにくい
基本レベル1
シロアリかよ。
しかも餌。
まぁ僕も餌として使ったけどさ？
まあ食物連鎖としてかんがえたらそうなるか。
けど餌には困らないかもな。
あとキングデーモンサーモンがここで釣れるんだ。
程々にだけどレベリング出来る場所だ。
穴場スポットっていうのかな。
よし、何とか生き延びれる目処がたった。
…生きて、なにをするんだろうか。
帰る？
帰っても変わらない生活。
失望の目。
嘲りの目。
欲望の目。
目。
目。
目。
帰っても何もない。
死ぬのは嫌だ。
だから生きるしかない。
けど生きてどうするんだろう。
自分だけができる、生きがいってのを探してみたいな。
この世界を見てみたい。
その後はどうしようか。
どう、しようか。
