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第0話

 瞬間、死を悟る。

 轟音と共に斜面を駆ける真っ白な大波。それは一見すると無機質な壁にも見えたし、逆に生命(いのち)を持った何かにも見えた。そしてそれが雪崩だと気が付いた時にはもう遅かった。


 ドンッと全身を襲う激しい衝撃。そこに雪の柔らかさなんてものは一切無く、まるでトラックか何かに追突でもされたのかと勘違いしてしまう程の衝撃を俺は薄れ行く意識の中で感じていた。


 それから意識を失うまでの時間はどれくらいだっただろうか。すぐにだったかも知れないし、そこから暫くしてからだったかも知れない。走馬灯的なものも見たかも知れないが、覚えていない。ただ一つハッキリと覚えているのは、俺が死ぬ手前に感じた事は死への恐怖ではなく、激しい後悔だったと言うことだ。


 ―――約束だよ……?


 浮かぶのはあの時の思い出。


「ごめんな。今度もし生まれ変われたら……」


 身体の感覚はとうに無くなっていた。実際に口に出したのか、はたまた脳内で呟いたのかは自分にも分からないが、この記憶を最後に俺、黒野 霊司(くろの れいし)の意識は途絶えたのだった。



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