無色のあなたを染めてみたい
人には必ず色がある、心がゲスなら本当に下水のような色になるし、逆に綺麗なら明るく黄色かったりする。色は何色もあるけどなんとなく感覚でわかる。
そんな色は、みんな見えていない。綺麗な色の子がどす黒い色の子に好意を抱いてえいたりするのがその証拠、見えていたなら絶対に近づきたくもないと思うはずだ。
けど、私は小学6年生の時から見えるようになっていた。切っ掛けは親友だった美咲ちゃんに虐められたこと。いつも優しかった美咲ちゃんが私を叩いたり蹴ったりと暴力を使ってきた。その時に美咲ちゃんの胸がどす黒く染まったのだ。最初は意味が分からなかったのだけれど、そのうちこれが人の本当の部分を映しているというこ
とに気づいた。
その後も虐めは当然のように続いたけれど、ある時クラスの一人が美咲のことを先生に告げ口したらしく、美咲も美咲の親も、激怒しながらも最終的に私の複数の傷をみて何も言わなくなり、美咲は退学という形で罪を償うということになった。その後のことは知らないけどいい人生は送ってないと思う。
ここで話を戻すが、そんなまあ「能力」とでも言っておこうを手に入れた私は今までもちろん人付き合いに失敗しないで、平穏な生活を今の高校生まで送ってきた。
そして、高校生活2学期転校生が転入してきた。その転入生は「千里 雪無」と言って男子ながらに女子みたいな顔だちをしていた。
そして、そんな雪無を見た時私は驚きで少しの間固まっていた。
無色、色がないのだ。
これまで誰にでもあった色が無かった。薄いだけかと目を擦ってもやはり何もない。何なのだろう、でも確かにわかる気がした。
雪無は全く感情がない気がした。色は感情に伴って変わる時がごくたまにある。これは感情が本心にかかわるからだろう。
だから見えないのか?
「いや、確かに感情はかかわるけどそこまで大きくはない。じゃあなんでだろう?」
私は雪無に興味を持つようになった。それからというものいつも雪無を観察していた。けれど努力むなしく結果はわからないままだった。
私は疲れてネットなら何かあるんじゃないか、解決法がと考え、電子掲示板に『本当の色が無い人がいます。どうゆうことか知ってる方いれば教えてください。』と書き込んだ。するとすぐに返信が返ってきた。
『どうも、お話聞かせてもらいました。正直何を言ってるのかわかりませんでした。だから恋愛の話と思いその考えでアドバイスすると、何で無色なのかわからないのなら、貴方が染めてみてはいかがでしょうか。何か楽しいとかそういう感情を与えればその人は変わるかもしれないです。ご期待に応えられてなければすいません』
思いもよらなかった。けど、染めてみるか、考えとしてはいいかもしれない。無色が何か色に変わるところが見れるかもしれないし、一度試してみるか。
スマホで先ほどの人に『ありがとうございました。』と返して、机からノートを取り出しそこに大きな字で目標とも言える言葉を書いた。
【無色なあなたを染めてみたい】
pixivでもやってます