第七話:問題解決
前書きの意味を知りましたが、私はこのスタイルを何となく貫きます。
四月二十二日
大幅改稿しました。
昨日はドラゴンこそ居なかったが、師匠が出来た。
人生初の師匠だ。 前世でも俺は師弟関係というものに憧れを抱いていた。
師匠が弟子を強くするために叱咤激励を送るのもいいけど、たまに立場が逆転して弟子が師匠を叱咤激励するのが好きだった。
俺もそんな関係を築けたらなあ。 あっでも築けてもそんな場面来ることそうそうないか?
まぁ、いいや。 昨日師匠の所へバレずに行くために調べておいた抜け道を使って山へ行こう。
抜け道というのは中庭にある生垣に出来た隙間から家の外に出るというものだ。
それを使い外に出て昨日と同じ道を辿り師匠の所へ行く。
どんな事を教えてもらうか、頭の中で考え山を登っていた。
そうだなあ。 とりあえずは今行き詰ってる風の妖術の無言霊について教えてもらうのが一番だな。 ここを解決しないと前に進める気がしないし。
その次はその次が来た時に考えるか。
師匠は昨日と同じ場所におり、切り株に座っていた。
あんな切り株昨日あったけ?
「おはようございます。 師匠」
「おはよう翔」
「あの、師匠そんな切り株昨日ありましたけ?」
「ん?いいや無いよ。 僕が今朝作ったばっかりだからね」
勝手を木を切り倒して作ったのか……。 まぁ、ここが誰の山かも分かってねえしいいか。
「それで僕は君の師匠になった訳だが、僕から何を教わりたい?」
「風の妖術の無言霊のコツを教えてください」
「驚いた……翔今君は何歳だい?」
「あ、そういえば言ってませんでしたね。 四歳ですよ」
「もっと驚く事になるとはね……翔その歳で妖術が打てる事が凄いのに、 無言霊までその歳で成し遂げようとしているのかい?」
やっぱりこの歳で妖術が使える事は凄いのか……なら尚更使える事を隠さないとな面倒臭い事になりそうだ。
後、無言霊で合ってたのか。
「はい、一応無言霊は出来るんです。 でも屁みたいな風しか出なくて」
「何を言っているんだ。 その歳で無言霊を使えてるなら満点だよ。 でも君はちゃんとしたのが使いたいんだね?」
「僕はちゃんとした無言霊が使いたいです」
「よし分かった。 それでどの技を無言霊で使いたいんだ?」
「初級風の妖術風刃です」
「風刃なら想像がしやすい、練習にも持ってこいの最高な技だ。 翔君はちゃんと妖力が練られて打たれた風刃を見た事があるかい?」
「はい、あります」
俺が倒れる原因にもなったからなはっきり鮮明におぼえてるぜ。
「なら、話が早い。 それを頭の中で想像するんだ。 風刃を想像してそれを押し出すイメージでやるんだ」
「風刃を想像?」
「あぁ、ほらこんな風に」
師匠は喋りながら風刃を放ってみせた。
やっぱりマスターしてたか、 俺の目は狂ってなかった。
「さぁ、やってみるんだ」
「了解しました」
俺は気を牛ない妖術が使える事がバレた要因の風刃を鮮明に思い出す。
緑で横長いブレードをしていた。
そうそうこんな感じのだ。 扇風機をずっと想像していたからいつの間にか想像力が鍛えられていたみたいだ。
後はこれを押し出す感じで。 押し出す……背中をぽんと後押しする感じこれでいけるか?
風刃を後押しする感じでぽんと触ると真っ直ぐ伸ばしていた手から風神が飛び出てきた。
「翔、やったじゃないか」
「やりましけど、僕今妖力を巡らせてなかったですよ?」
「無言霊を使えるんだ。 無意識下で君は妖力が扱えるようになっている」
何だって!? このままいけばチートになれるかな?
しかしこのまま努力して強くなるのもいいな。 まっ、どっちでもいいか。
それにしても俺の手から出た風刃木を切り倒しすぎだろ。 何本切ってるこれ?
六本ぐらい一気に切ってるなこれ。
「さっ、次のステップだ。 これを斜めにしてみなさい」
「斜め?」
「あぁ、無言霊限定で色々な方向に向けることが出来るんだ。 やり方はさっきと同じでいい向きを変えるだけでいい簡単なお仕事さ」
仕事ではねえけどな。
「よし、やってみます」
この課題は簡単にクリア出来た。 師匠の言う通り向きを変えるだけで良かったので簡単だった。
「じゃあ、ここからは自主トレだ。 一時間後また僕に話しかけてくれ」
「分かりました」
師匠は勝手に作った木の椅子に行き座って俺を見ていた。
一時間俺は縦の風刃や横の風刃色々な向きで試した。
要領は全て同じだったので簡単だった。
こうして自主トレの時間は早く過ぎていった。
そろそろ一時間経ったかな? 師匠に話しかけに行こう。
「師匠、一時間経ちましたよ」
あれ?反応がない? 顔も魂が抜けていた。
「おーい? 師匠? 生きてますか〜?」
師匠を揺さぶりながら意識確認をする。
「あ…あぁ、すまない。 朝早く起きすぎたみたいで寝てたみたいだ」
「もう、何してるんですか」
「明日からはちゃんと寝て来るよ」
「そうしてください」
師匠の顔に魂が戻った。 寝不足で魂が抜けたって昨日何時に寝たんだ?
「よいしょっと、もうそろそろ日が暮れる。 これから山を下りたら事を考えたら今から下りた方が良さそうだ」
確かに太陽が真ん中辺りにきていた。
「そうですね。そうしましょう」
「じゃあ、また明日」
「明日はちゃんと寝てから来てくださいよ」
「はは、分かってるよ。 じゃあね」
俺が山を下りた時には、歩く光っていた太陽は隠れ紅く光る太陽が出ていた。
ではまた。