第五話:おかえり....絶望。
1日1話を目指してます。いつ終わるか分かりませんが、頑張って書きます。
大幅改稿しました。
大幅改稿してない所でもし矛盾が生まれていると思います。 すみません許してください。
無詠唱と言うのが正しいのかそれとも無言霊が正しいのか悩んでいた俺は無言霊と言うことにし、無言霊の練習に励んでいた。
俺は前世で読んだ異世界転生小説のおかげでMPの増やし方などを知っていた。 前世でオタクしてて良かった。
しかし、台風の風をイメージーするのは大変だし、もっと想像しやすい風を考えよう。
扇風機の風だ……。 風の強さを弱にした途端なんとも言えないあのそよ風を送ってくれる扇風機の風を想像しよう。
頭の中で妄想扇風機を作り、その妄想扇風機の風の強さを弱にする。
これでいい感じの風刃が出るはずだ。
腕と肘を垂直に伸ばし前みたいに何か壊すと後々面倒臭いので空に向けて打つことにしよう。
手の真ん中に妖力を集める感じで。 よしよし集まってきたな。
そろそろいけるなと思い放つが出てくるのはすかした屁みたいな風だった。
風を想像するの難しすぎないか……? 火とか水ならすぐにいけるのか?
いやここで他の妖術に行くのは浮気と同じだ。 男なら浮気をせずに一途に愛せなければ。
でもまあ、妖術の二股ぐらいは許してね?
俺はそこから同じ想像をしながら練習をするが一向に上手くならない。
というか、妖力切れを起こし始めてクラクラもしてきた、今日はやめておこう。
そう思い、中庭から下靴を脱ぎスリッパに履き替える。
ん、いい匂いがする。 そろそろご飯か、リビングに向かうか。
いい匂いがしてお腹が空いたので少し早歩きでリビングに向かって廊下を歩いていると、普段は閉まっている部屋が空いており中をちょっとだけ見ると埃ぽく色々な物が散乱し乱雑に置かれていた。
なんかすげえ昔の刀とか置いてないかな?妖刀ムラマサとか。
妖刀ムラマサが置いてあるかどうかを確認しに中へ入ると、傷付いた兜や甲冑が置いてあり割れた壺まで置かれていた。
あぁ、ゴミ捨て場兼物置みたいな感じかここ。
なら、妖刀ムラマサはねえか。と思い部屋を出ようとすると奥の方から光を放つ何かが見えもしかして妖刀ムラマサか!?
光を放つ方へ歩いて行くとそこにあったのは、埃を被り薄汚れた縦長い鏡だった。
なんだ、鏡かよ。
あ、でもパーティーの時はクソダサいタキシードに夢中で自分の顔をちゃんと見てなかったな。
異世界転生をしたのになんであの時俺は顔を見なかったんだ。 俺も馬鹿だなあ。
転生をしたならば、ハーレムを作れるぐらいのイケメンだろうな。
俺は異世界転生ボーナスのイケメンを信じ鏡をちゃんと見ると、そこに映っていたのは鼻が高く目は垂れ目で前髪は天パな男だった。
なんだこの中の下の顔は……。
しかしコイツの顔どこかで見たような。 どこで見たっけ?
うーんと俺は腕を組み思い出そうとする。
こんな顔の奴一回見れば忘れる気もすれば忘れない気もするんだけどなあ……。
あっ! 思い出した! これ俺だ! そうだそうだ前世で俺が住んでいた部屋に飾られていた写真の中にこの顔と全く同じ顔の俺が映っていたじゃないか。 確かあの写真は母さんが飾ってくれたんだよなあ。
ん……?俺?
どういう事だ……? 自分で言っておいてなんだが異世界転生をして顔がそのままなはずは無いよな……? それは異世界転移だもんな?
あれ……?俺もしかして異世界転生と転移を同時にしちゃった? 世界初? 全米が泣いた? アカデミー賞受賞しちゃう?これ。
俺はあまりのショックに正常な思考が出来なくなっていた。
なんかの見間違いかもしれないもう一度鏡を見よう。
鏡を見るがそこに映っていたのは確かに俺だった。
いやいや、嘘だ。 そんな事はないこれは夢だな。 うん悪い夢だ。
ほらほっぺをつねると痛い。 痛いなあ。 夢じゃないや……。
分かったよ神様受け入れるよ。 この現実を。 俺は今世も中の下の顔で頑張って生きていくよ……。
俺は神様の意地悪を受け入れ俺は落ち込みながらリビングへと行った。
ではまた。