第四話:妖術の理解
短いです。
四月十九日
大幅改稿しました。
病院から退院したら家では俺が初めて妖術を使ったということでパーティーの準備が進んでいた。
パーティーの準備をしていたメイドさん達曰く「旦那様が急に電話をかけてきて、『翔が妖術を使った! この歳で妖術を扱えるなんて凄いことだ! それを祝してパーティーを開く! パーティーの準備をしておいてくれ』っていうことでして急いでパーティーの準備をしたんです」
親バカもメイドさん達からしたら迷惑だな……。
でも俺が妖術を使ったのが事の発端だし、メイドさん達には悪い事したな。ごめんと心の中でメイドさん達に謝る。
パーティーの準備をしているメイドさん達は慌ただしく料理や飾り付けのセッティングをしている。
俺はその様子をぼーっと見てたら一人のメイドさんに呼ばれた。
「翔様のお召し物を変えますのでこちらに」
「いや、これでいいよ」
「ですが、旦那様が」
才汰の仕業か。ここで俺が断ると後々面倒臭いことになりそうだ素直に着替えよう。
「分かった着替えるよ」
「ありがとうございます。ではこちらへ」
別室に行き才汰が用意した服に着替える。
着替えが終わり鏡の前に行くと才汰のセンスを疑いたくなるような服だった。
服は純白のタキシードで袖にはギラギラと輝いた謎のアクセサリーが付けられており、靴は金色に輝いている。
なんだ……この服はだっせぇ。
「よくお似合いですよ。翔様」
メイドさんはそう言ってるが顔は引きつっていた、内心はダサいと思っているのだろう。俺もそう思っている。
「翔着替えたか?」
才汰が扉を開け着替え終わったか確認しに来た。
確認しに来た才汰の格好は想像していた通りにダサかった。
真っ赤のタキシードにボタンは金色に光っており何故か靴は真っ青に染っている。
これを良しとして着ているコイツのセンスはどうなってるんだ。
「はい着替えましたよ。似合ってますか?」
「あぁ、似合ってるとも!流石は俺の息子だな」
ここで息子要素が関係あるのかと思ったが、確かにこんなダサい格好が似合うのは才汰の息子だけだろう。
「さぁ、パーティーの準備が出来た行こう」
才汰に連れられパーティー会場に行く。
パーティーというから人が大勢いるものだと思っていたが時間が時間だった。人は家の使用人だけだった。
しかし、人がいないのはありがたかった。こんなダサい格好で人前に出るなんて死んでも嫌だからな。
「皆! 今日は翔が三歳という歳で妖術を使った! その事を祝してカンパーイ!」
「カンパーイ!」
才汰が前で祝辞を述べ、カンパーイの合図とともにコップを上にあげパーティーが始まった。
パーティーが始まり、俺は腹が減っていたから飯を食べようと思い、ご飯が並んでる所に行こうとすると夏海が近付いてきた。
「翔その服才汰が選んで着せたでしょ?相変わらずあの人のセンスはどこかおかしいわね」
「母様……袴良くお似合いですよ」
「ふふ、ありがとう」
この服をおかしいと言ってくれた夏海は桜の絵柄が書かれたピンク色の袴に身を包んでいた。
「さぁ、翔ご飯を食べに行きましょう。お腹空いたでしょう?」
「はい!」
夏海をご飯を食べ、メイドさん達と話をしていたらいつの間にか俺は眠ってしまったらしく次起きたのは寝室だった。
起きた俺はリビングからいい匂いがしたので、リビングへと行くと朝ごはんが用意されていた。
「おはようございます翔様。昨日はお疲れの様でしたが疲れは取れましたか?」
「うん、取れたよ」
席に座り才汰と夏海が来るのを待った。
才汰と夏海が来たので朝ごはんを食べ、歯磨きをして妖術の練習をしようと思い中庭へと行く。
中庭だったら広いし何か壊す心配もないだろう。 妖力も寝た事で回復したみたいだし妖力切れには気を付けながら練習をしよう。
昨日は詠唱ありでしたが無詠唱でも妖術を使えることは知っていた。
でもまあ、こっちの世界では無詠唱で妖術を使える人は少ないんだろうな。 前世で読んでいた異世界転生小説ではそうだったからな。
無詠唱の仕方は前世の異世界転生の受け売りでやってみよう。
確か、頭の中で唱えるものを想像する。しかし風ってどう想像したらいいんだ……?
試しにアニメとかでよく見る台風を想像してやってみよう。
灰色で色々な物を渦巻きながら飲み込んで行くあの台風を想像し手に妖力を流し風刃を放つが、出てくるのは扇風機を弱に設定した時ぐらいの風だった。
ん〜想像がアバウトすぎるのかな? もっと具体的にしないといけないのか……。しかし具体的に風を想像するのは大変だ。 火とかと違って目には見えない不可視だからな。
はぁ、こういう時妖術を教えてくれる師匠とか先生が居ればなぁ。
とないものねだりをしていてもしょうがないから頑張るか。
あっ、てか今気付いたけどこっちの世界では詠唱を言霊って言うから無言霊って言う方が正しいのか?
分かんねえし無言霊でいいか!
ではまた。