童話を進めるための大事な7文字太郎
最近桃太郎ばかり書いている気がします
むかしむかし、あるところに、小学生以下のお爺さんとお婆さんがおりました。
「しばかりへ……行く!」
お爺さんは指を折りながら芝刈りへ。お婆さんは「かわへせんたく♪」と同じく指を折りながら川へ洗濯へ向かいました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が、どんぶらこ……ではなく、どんぶらぁぁこ、どんぶらぁぁこ、と枝を折りながら流れてきました。
お婆さんが桃を持ち帰り、中を割ってみると、中から『げんきなおとこのこ』……は9文字なので『げんきな……ぼうや』が出て来ました。
二人は坊やを『ももたろう』……は5文字なので…………『おねしゃすたろう』……は8文字だし……『もぅぅもたろう』とアメリカンな発音で適当に名付けられました。
もぅぅも太郎が大きくなると、鬼退治の度に出掛けました。
もぅぅも太郎が歩いていると、イヌが現れました。
「桃太郎さん桃太郎さん、御腰に着けたきび団子、1つ私に下さいな」
「7文字で」
「…………はい?」
イヌは口をあんぐりと開けて戸惑いました。
「人に物を頼むときは7文字で」
「だんごでおとも!!」
イヌは何とか7文字を繰り出して、お供を許されました。
もぅぅも太郎が歩いていると、キジが現れました。
「桃太郎さん桃太郎さん、御腰に着けたきび団子、1つ私に下さいな」
「土下座」
「──えっ?」
「どーげーざー!」
キジは仕方なく土下座をしました。
「おねしゃす……」
でも悔しいので、少しだけ適当にお願いをしました。
「断る!!」
もぅぅも太郎はキジを見放しました。
もぅぅも太郎が歩いていると、サルが現れました。
「お願いします! お願いします!」
サルが最初から7文字でお願いしてきたので、もぅぅも太郎はムッとして無視をしました。
途中から歩くのが面倒になったのでタクシーで鬼ヶ島へと向かうことにしました。
「ヘイタクシー!」
もぅぅも太郎が手を上げますが、タクシーは止まりません。
「タクシプリーズ!!」
すると一台のタクシーが止まりました。
「おにがしままで」
「おk」
もぅぅも太郎はタクシーで楽々と鬼ヶ島へと向かいました。因みにイヌは乗れなかったので置いてゆきました。
タクシーで三十分、ついにもぅぅも太郎は鬼ヶ島に到着しました。
「2800円です」
「一両で。おつりはいいです」
「お客さーん……な な も じ !」
「……」
しかしもぅぅも太郎は7文字が浮かびません。
そこで、もぅぅも太郎は二十五両を置きました。
「にじゅうごりょう!!」
「ありがとなーす」
タクシーの運転手は二十五両をポケットへとねじ込みました。
「お、おつりを……!!」
「え? さっき要らないって…………言いませんでしたっけ?」
「──クゥゥッッ!!」
もぅぅも太郎は鬼退治どころではなくなり、二十五両を稼ぐべくハローワークで仕事を探しましたとさ。






