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神様たちの冒険  作者: くずす
3章 Dランク冒険者、勇者の師匠となる
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裸の付き合い

 その日の夜、僕はカズキ君と一緒にお風呂に入る事となった。


「あのコ、あんまりお風呂が好きじゃないみたいで、放っておくとずっと入らないのよ。だから一緒に連れて行ってくれる?」


 その日に預けられていた二人の子供を連れて大浴場に向かっていた時に、ソニアさんからそんな感じで頼まれたからだ。

 ちなみに―――


「嫌がるようなら私が無理やり入れると言っていたと伝えて。そうすればあのコも諦めると思うから」


 そう捕捉したソニアさんの言葉通り、最初は渋っていたカズキ君であったが、お姉さんの名前を出すと素直についてきてくれた。

 そして、身体を洗い終わった僕たちは4人並んで湯船に浸かっていたのだが……


「なあ、お前って、ソニアねーちゃんの弟なんだろ?」

「え?そうなの?」


 テオ君(11歳)とドビー君(10歳)がカズキ君に話しかけていた。

 二人は『銀のゆりかご亭』に預けられる子供たちの中でも年長の方であるし、クランメンバーのソニアさんとも普通に面識があったらしい。

 だから、ソニアさんの弟であるカズキ君にも興味をもったようである。

 もっとも―――


「お前って、ソニアねーちゃんと一緒にお風呂入っているのか?」

「え?」

「だって、さっき、そんな事言っていたじゃねーか」

「いや、それは無理やり姉ちゃんが……」

「マジかっ!じゃあ、ソニアねーちゃんのおっぱいとか見た事あるのかっ!」

「す、すげぇ……」


 ―――というような感じで、テオ君たちの興味はソニアさんの豊かな乳房にあったようだ。


「ソニアねーちゃんのおっぱいは大きいからな~。くうぅ、なんて羨ましいヤツなんだ」

「僕もソニアさんの弟に生まれれば良かった……」

「いや、あの……」

「その辺にしておきなよ。カズキ君が困っているよ」


 そして、そんな二人にどう反応してよいのか戸惑うカズキ君。

 実の姉のおっぱいの話で盛り上がられても弟としては困るだけだろう。


「え~、なんでだよ、ルドナ兄ちゃん」

「女の人に興味を持つのは普通の事だって言っていたよね?」

「それはそうだけど、そういう事を話題にする時は、ちゃんと時と場所を選ばないとダメだって言ったでしょ?」

「でも今は男しかいないぞ?」

「確かにそうだけど、初対面でするような話じゃないかな。それにカズキ君にとって、ソニアさんは身内でしょ。こういう話で身内の事を出されても盛り上がれないと思うよ」

「そうなの?」

「共感が得られないからね。テオ君やドビー君だって、『お母さん、若いね』とか『お姉さん、綺麗だね』と言ってもわかってくれなかったじゃないか」

「あ~」

「なるほど~」


 そういうわけで、僕は二人に話題を変えさせる。

 もっとも思春期真っ盛りの男のコたちの興味は女のコにばかり向けられていたが―――


「それじゃあ、ルドナ兄ちゃん、また相談に乗ってもらってもいい?」

「うん?」

「あのさ、今度、ナコの家に遊びに行くことになったんだけど……女のコと二人で何をして遊べばいいんだ?俺、女のコとするような遊び、知らないんだけど」


 ただ、テオ君の相談はわりと真面目なものだった。


 少し前までのテオ君は『銀のゆりかご亭』に集まってくる子供たちのリーダーのようなポジションで、男の子たちを引き連れて、虫取りとか木登りとかボール遊びとかに夢中になっていた。そして、この年頃の男のコによくあるように、女のコたちと仲良くするのが恥ずかしくて、気になるコに意地悪をして泣かせてしまうようなタイプだった。

 だから、僕はテオ君と腹をわって話し合い、その真意を聞き出すと、いろいろとアドバイスをあげたのだ。

 そして、その結果―――テオ君はナコちゃんという女のコとデートをするくらいの仲になっていた。

 幸いにもまだ修復可能な段階であったというのが大きいが、テオ君がそれだけ頑張ったというのもあるのだろう。もともと子供たちのリーダー的存在だったテオ君は、本当に小さいコなんかには優しいお兄ちゃんなのだ。


「ん~、そうだなぁ。テオ君はこの前のデートの時はナコちゃんとどんな事をしたの?」

「どんなことって……一緒に屋台を見て回って、あとは公園で話していたくらいだよ」

「じゃあ、それでいいんじゃない?」

「うん?だから、遊ぶのはナコの家なんだって―――」

「だから、お話するだけでもいいんだよ」

「え?それだけでいいのか?」

「テオ君はナコちゃんとお話していてつまらなかったの?ナコちゃんはテオ君といてつまらなそうにしていたの?」

「いや、そんなことはないけど……」

「だったら、それでいいんだよ。ナコちゃんは大人しいコだから、外で遊ぶより家の中でゆっくりテオ君とお話がしたいんじゃないかな?」

「そ、そうか。わかったよ、ルドナ兄ちゃん」


 そんな感じでテオ君の相談は終了。

 すると、今度はドビー君の番。

 しかし―――


「それじゃあ、兄ちゃん、僕も相談したい事があるんだけど」

「うん、何?」

「キノちゃんのお胸を大きくするにはどうしたらいいの?」

「……はい?」


 ドビー君の質問はかなりの大暴投だった。


「ええと……?」

「キノちゃんがおっぱい大きくしたいから、僕に触って欲しいってお願いしてきたんだよ。男のコに触ってもらうと大きくなるんだって。でも、キノちゃんのお胸は中々大きくならなくて―――」

「あ~、ストップ。ストップだ。ドビー君」

「え?何?」

「そのお話はキノちゃんから誰にも内緒とか言われなかったかい?」

「あっ、そういえば、そんなことも言っていたような……」

「女のコとの約束は破っちゃダメって言ったでしょ。僕たちは聞かなかったことにしてあげるから、もう誰にも言っちゃダメだよ」


 ちなみにキノちゃんはドビー君の彼女で現在9歳。少しませたところがあるコであったが、僕の想像以上だったようである。多分、おっぱい大好きなドビー君が大きな胸の人に目を奪われるのを見て、対抗心を燃やしただけだと思うけど……


「う、うん。あ、でも、それじゃあ―――」

「おっぱいが大きくなる方法は僕にもわからないよ。いろいろと噂はあるけどね。どれも本当かどうかはわからないかな」

「そうなのか~」

「おっぱい博士のルドナ兄ちゃんでもわからないのか~」

「いや、なに、その不名誉な渾名は……」


 ただ、そんなドビー君の大暴投とテオ君の発言で、僕にあまり嬉しくない渾名が定着している事を知る。


「え?お兄ちゃんはおっぱいマニアなんでしょ?マニアって、博士って事じゃないの?」

「ルドナ兄ちゃんの彼女って、皆、おっぱい大きいじゃん」

「お兄ちゃんは絶対にきょにゅー好きだって、ノア姉ちゃんが言ってたよ?」

「いや、それは偶々で、別に小さいおっぱいも嫌いじゃないんだけど。というか、ノアさんがそんな事言っていたの?本当に?」

「ノア姉ちゃんはおっぱいないからね~」

「急に3人もおっぱいの大きなコが増えたから、毎日、ぜつぼーしてるとか言ってたぞ」

「そ、そうか……」


 なんだか聞いてはいけない事を聞いてしまったようであるが、だからこそ、僕の不名誉な渾名についても抗議することができない。

 そんなわけで目の前の二人―――いや、カズキ君もいたので三人に、僕はおっぱい博士でも巨乳好きでもないと訂正しておく。

 すると―――


「……お兄さんはあのコの彼氏なの?」

「うん?」


 それまでは僕たちと距離を置いていたカズキ君が、少し緊張しながらもそんな事を訪ねてきた。


「あのコ?」

「あの……大きな花の髪飾りをつけたコ……」

「リサの事?それならそうだけど」

「それだけじゃねーぞ。ルドナ兄ちゃんはミントさんとサクヤさんとも付き合っているんだぞ」

「3人も彼女がいて、更に最近、二人も彼女を作った恋愛の達人だよ」

「いや、待って。別に恋愛の達人とかじゃないから。それに、リフスとサリア(僕が『一時神化』させた剣の神)はまだ恋人というわけじゃ―――」

「まだ?」

「まだ?」

「あ、いや……そ、それよりもリサがどうかしたの?」

「ううん、ちょっと気になっただけ……」


 もっともカズキ君とはそれ以上の会話はなく、お風呂から出たカズキ君はそのまま自分の部屋へと戻ってしまったので、リサの何が気になったのかは聞き出すことができなかった。





特に需要のないお風呂シーンです。

クリスマスに何故これを投稿したのか、それがわからない。

まあ、偶々なんだけどね。


しばらくは3日に一度の投稿で行こうかと思います。

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