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神様たちの冒険  作者: くずす
3章 Dランク冒険者、勇者の師匠となる
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帰ってきたクランメンバー

3章始まります。

 ナナエさんがコナンさんたちと王都に向かった翌々日。

 僕が店の前を掃除していると、見知らぬ女性に声をかけられた。


「あれ?新しい人?」

「え?あ、はい」


 しかし、僕たちが暮らす『銀のゆりかご亭』は、冒険者専門の宿屋と兼業で子供たちを預かる託児所のような事も行っていたので、そういうことも珍しくない。


「半月ほど前からこちらでお世話になっている、ルドナ=エンタヤと言います。どうぞ、よろしくお願いします」

「あ、これはご丁寧に。私はソニア。ソニア=ユウノよ、よろしくね」

「はい。それで―――」


 僕は彼女が子供を預けに来たのだと思い、彼女の後ろに隠れている男のコに視線を向けた。


「あ、うん。このコはカズキ。ほら、カズキも挨拶して」

「……ええと……カ、カズキ=ユウノです……」

「ルドナ=エンタヤです。よろしくね」


 ソニアさんに促され挨拶をしてきたのは、僕より少し背が低いくらいの分厚いぐるぐる眼鏡をした男の子。よほど人見知りするタイプなのか、いかにも警戒していますという感じであるが、一応は挨拶を交わしてくれたのだから、そこは気にしない。

 僕としてはソニアさんの方が気になっていたからだ。

 というのも―――


(随分若いお母さんだな。どう見ても20代にしか見えないんだけど……)


 なんて事を思っていたからで、それ以上の他意はない。

 まあ、かなりの美人さんであったので、『綺麗な人だな』くらいの事は思わなかったわけではないが……本当にそれだけ。

 だから、僕はそのままカズキくんを預かろうとしたのだが―――


「それで、ノアちゃんかナナエさんはいるのかな?」

「え……?ああっ、そうですね。ノアさんは中にいますから、ちょっと呼んできますね」

「あっ、別にそこまでしなくても―――」


 ソニアさんの言葉を受けて、僕は店内に戻り、ノアさんを呼びに行く。


(いくら店先で働いていると言ったからって、見知らぬ男に子供を預けられるわけがないよね。若いのにしっかりしたお母さんだな)


 それが盛大な勘違いだと気づかぬままに……




◆◆◆




「あははっ!ソニアちゃん、お母さんだって~」

「私って、そんなに老けて見えます?」

「す、すいません!本当に勘違いしただけなんです。そうですよね、弟さんですよね。普通に考えれば……」


 ジト目で問いかけてくるソニアさんに、僕はとにかく頭を下げる。

 そう、ソニアさんとカズキくんはただの姉弟という間柄であったのだ。

 ちなみにソニアさんはノアさんと同じ19歳で、カズキ君は13歳。

 そして―――


「ノアは私の事、ルドナ君に教えてなかったの?」

「いや、話したよ?話したよね?」

「はい。話には聞いていました。ただ、名前ぐらいしか聞いていなかったので、とっさに結び付かなくて……」

「ああ、よく考えれば、そうなるわよね。こっちはノアの手紙でルドナ君たちの事も聞いていたからすぐにわかったんだけど、君からしたらタダのお客さんだって思うわよね」

「はい……」

「じゃあ、改めまして。『銀の七星盾』のクランメンバー、ソニア=ユウノ。まだ19歳の独身よ」

「ルドナ=エンタヤです。よろしくお願いします」


 彼女こそ、実家の事情でこの街を離れていたというクランメンバー、ソニア=ユウノであった。





リアルが少し忙しいので、3章は投稿速度が落ちます。ごめんなさい。

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