表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様たちの冒険  作者: くずす
2章 Eランク冒険者、クランを再建する
18/155

Eランク昇格

2章、始まります。

 邪竜討伐から五日ほど経過した。

 その間に僕らはEランクへの昇格試験を受け、全員無事に合格した。

 ただし……Eランクになってから冒険らしい冒険にはまだ出ていない。

 その理由は主に二つ。


 一つはギルド側の問題。

 ここ最近、『シーケ』の冒険者ギルドはいろいろとバタバタしている。

 というのも、『蛇の道』で大量発生していたダーク・ヴァイパーたちが一夜にして姿を消してしまったからだ。

 一時は大規模討伐クエストの発動まで検討していただけに、いなくなったからヨシとはならない。本当にいなくなったのか確認する必要があるし、いなくなった原因だって調査する必要がある。

 大規模討伐クエストは回避されたが、それと変わらないくらいの労力が『蛇の道』の調査に費やされる事となり、そのしわ寄せで他の業務が少々滞っているのだ。


 つまり―――原因の一端は僕らにもある。

 だからと言って、『自分たちがやりました』と名乗り出るわけにもいかないのだが……


 ちなみに、戦闘の痕跡などはアバン様の監修のもとに隠蔽工作が行われているので、これ以上ないほど完璧。

 完璧すぎて、ギルドの調査が何一つ成果をあげられていないくらいである。

 ただし、それらは必ずしも無駄というわけでもない。

 冒険者ギルドは研究機関ではないので、原因の究明にそれほど拘る必要はない。異常事態が発生したというのならともかく、異常事態が勝手に鎮静化しただけなので、安全性の確認さえしてしまえば、最低限の仕事はしたと面目も立つ。

 それに、調査という名目で冒険者たちに仕事を与える事は、ギルドの利益にも繋がる。

 もともと新規のダンジョンが発見されたと盛り上がっていたところであるし、現在の『蛇の道』は冒険者たちの熱い注目スポットと化していた。

 ただ……これはDランク以上の者に限った話。

 何故なら、『蛇の道』の適正ランクは最低でもDランクであるからだ。

 そして、ギルドも冒険者も『蛇の道』の調査に集中している現状……EランクやFランク向けのクエストが品薄状態となっていた。

 いや、もちろんクエストが全くないわけではないのだが、わりのいいクエストが少なくなっており、それを皆で取り合うので、残されたクエストは微妙なものや面倒なものが多いという事なのだが……


 そんな残り物のようなクエストで無理してもしょうがないので、僕らはのんびりと次の昇格試験に向けてポイントを積み重ねていく事にしたというわけである。

 それに、僕らにはもう一つ、僕ら自身の問題もある。

 というのも―――




「るー!るー!あれは何!?」

「あれは迷宮山羊の串焼きだね。シーケの名物のひとつだよ。食べてみる?」

「ウンっ!にー、食べるっ!」


 串焼きの屋台に目を向けていた半竜半人(ドラゴニュート)の幼女―――ニーズが『早く!早く!』と僕の手を引っ張る。

 邪竜から転生したニーズは見た目のまま子供である。

 そんな彼女にとって、賑やかな繁華街は何もかもが興味を引くもの。


「ウマ~ッ!ウマ~ッ!るー!これ、うまいぞっ!」

「気に入ってくれて良かったよ」


 串焼きを頬張るニーズの手を引きながら、僕は街の大通りを散策する。

 その時間は決して悪いものではない。

 元気なニーズのはしゃいでいる様子は僕も見ていて楽しいのだ。


 だが―――

 ニーズの存在が僕らを悩ませているというのも確か。

 何故なら、子供のニーズを連れてダンジョンには行けないからである。





遅くても週一ぐらいで投稿できるよう頑張る予定です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ