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旅立ちの森

辺境の地から遥か遠く、そこでは、最近になって異変が起こり始めていた。空から灼熱の炎が吹き荒れ、そして、見たこともないようなモンスターが、何もない空間から出現していた。


そんな中、辺境の地アルテニルの森で育った少女イルサと妖精のシャルは、何が起きているかを調べるため村を旅立った。


辺境の地アルテニルの東側に位置する森ではまだ朝靄あさもやが煙っていた。


そんな中、金色の髪と端正な顔立ちの少女が旅立ちの準備をしていた。その表情には、旅への期待と不安を込めた青い瞳が印象的だった。


フリルの付いた白いチュニックに、美しい身体のラインが際立つパンツスタイルの少女が慌ただしくしている。


「食料はこれでいいわ、あとは眠るための毛布ね」

袋に入った食料、毛布、それと使い慣れた短剣、

あとは村のおじさんが用意してくれた革で作られた胸当て。少女は旅に持って行くための荷物を確認していた。


少女は胸当ての紐を結び終えると、小さな宝石の首飾りを手に取った。

それは、キレイに形作られた半円状の青い宝石、彼女がいつも首からさげているものだった。

この宝石は、彼女が赤ん坊の頃、森で拾われた時に一緒に置かれていたものだ。


いつものように、少女は宝石を首から掛けた。そして立ち上がると、そっとドアを開けて外に出た。


外には冷んやりとした空気の世界があった。そんな中、村人達はまだ寝静まっているようだ。


(みんな、行ってくるね)

少女はそう呟いてから村の出口を目指すと、そのまま村はずれにある墓地に向かった。

小さな墓地の中を進むと少女は1つの墓の前で立ち止まった。

〈バシルの墓〉

そう刻まれた墓石が寂しげに佇んでいた。


「先生、行ってきます。私を見守っててね」


「おーい!イルサー!まってよー!!」

その時、遠くから近付いてくる声に少女は振り返った。

すると、背中の羽を高速で羽ばたかせた「妖精」が少女に向かって飛んできた。

そう、まだ少女が幼い頃からの友達、シャルである。

「おいてかないでよー」


「ほら、もう行くよ」

そう言うと少女は、村を後にして森の出口を目指した。

シャルが急いで少女の肩に留まると羽を休めながら言った。

「いよいよだねっ!ワクワクするなぁ!」

「そうだね、私は森から出たことはないけどシャルはあるんでしょ?」

「妖精のシャル」は何かを思い出すように考えていたが、「うーん、ずっと昔のことだもん、忘れちゃったよっ!」


「そっか、私は期待と不安が入り混じった感じだよ。けれど、この先どんな困難が待ち受けているか分からない、気を引き締めていきましょう」


イルサの肩の上でシャルは進行方向を指差して言った。

「うん!レッツゴー!!」

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