クラスメート
_主人公(彼)side_
「あっつ……」
朝から意味不明(まぁ嬉しいんだけど)な出来事があった上、
こんな暑い人混みを歩くとは…普段学校以外外に出ない僕にとっては、
頭がやられそうだ。
だが、誰かに会わないと。
少しでも真実を知らないと。
でなきゃ、安心して過ごせない。
まぁ、こうなってからは当分安心なんてできやしないんだけど。
色々、初めてすぎるし。
というか、本当に暑すぎる。
なんだ?今9月じゃないのか?真夏日と同じくらい暑い…
一旦喫茶店にでも行って休むか。
―――チリン チリン
「ふぅ…」
ひとまず休憩だな。
少し歩いてみて分かったことは、
そんなに都合良く誰かにバッタリ、なんてそう無いってこと。
まぁ、また学校行った時でもいいんだけど。
出来ればその前に知っておきたいというか…
「…あれ?もしかして」
その時、そんな声と共に肩を叩かれた。
振り返った先にあった顔は…僕のクラスメートの顔だった。
やっと反応を見れると思い、僕はそのクラスメートと目を合わせた。
すると、
「おぉやっぱり!綾瀬じゃん!」
綾瀬、それは僕の名前だ。綾瀬 潤。幸運にも、男にも女にも使えるような名前だ。
このクラスメートも母さんと同じで、驚いている様子は無さそうだ。
やはり今現在僕は、男と認識されている、、のだろう。
「学校一のモテ男くんがこんなとこでなにしてんの〜?」
え…?
学校一の、モテ男くん…?まさかそれ、僕のことか??
そうなのか?確かに、男になった僕の顔は整っていて、綺麗だ。
まだ状況をしっかり掴めない僕は、
ニヤニヤして聞いてくるクラスメートに
「なんだよそれ」
と、苦笑いで返すしかなかった。
主人公の綾瀬潤は、女であった時から男の様な口調、一人称で過ごしていたため、今の男の姿に合った喋り方になっています。