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願ったり叶ったり【性転換】  作者: アカイハナ
4/6

残暑

彼は、急いでもしょうがないとは思いながらも、

早く真実が知りたいという思いから、着替える手が早くなっていた。


だが、服に腕を通した時に分かったが、

元の自分の服では小さすぎる。


身長も高くなり、体型も全く違うのだ、あたりまえだろう。

ズボンなんかは特にそうだ。

仕方がない。

彼はこっそり、父親の部屋の服とズボンを手に取り、

それに着替えた。

少し小さいが、まぁいいだろう。


彼は、せっかく外に出るのだから、男物の服や小物を買っておこうと思い、

サイフにあるだけのお金を詰めて、家を出た。



外は、9月とは言えないほどの、気持ちの悪い暑さだった。

まだまだ夏は残り続けるような、そんな感じがした。


どこへ行けば知り合いに会うのかなど全く分からないが、とりあえず歩くことにした。

いつもなら、会わないようにと避けているばかりなのだ。


いや、逆にいつも避けている場所を行けば会うかもしれない。


そう考えながらダラダラと、夏が残る道を歩き出した。


次話から、第三者sideではなく、『主人公(彼)side』となります。

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