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彼女の願い
「…男になりたい」
自分が女であることに不満をもつ。
いわゆる、性同一性障害というものだ。
医師にそう診断された訳では無いが、彼女は自分の女の体が嫌いだった。
成長するにつれて、変わっていく体。
気持ち悪くて仕方がなかった。
だが、それを誰かに相談できるわけもなく…
ただ1人悩み続ける毎日だった。
そんな日々に、彼女は疲れてしまったのだ。
ある日の夜、彼女は自分で自分の首を絞めた。
首を絞めながら、こう願った。
「来世は男でありますように」と
だが、彼女の首を絞める力は弱く、
そのまま、眠りについてしまった。
そしてまた、朝が来た。